正しいコントロール(トラップ)とは 目次
コントロール(トラップ)
一般にボールを「トラップ」する際、接触する足を引くように教える。
これが完全に間違いであることを示すと共に、正しいコントロール法を見る。
地上編
① 正しい動きと間違った動きの比較
正しいコントロールとは
正しいコントロールは以下の要素で構成される。
② 正しいコントロールの要素
地面と足でボールを押さえる
逆回転の重要性
足首の変形
重心移動
これらを用いることにより足を引く動作では絶対に得られない、様々な利点が得られる。
③ 正しいコントロールの利点
勝手に止まるメカニズム
方向の変化
次のプレーへ移る
接触時間、バランス
見合いとコントロール
まとめ
次に間違いである引くトラップと、正しい方法をシュートの場面で比較する。
④ コントロールの違い、引くトラップの問題点
シュートへつなぐコントロール、問題編
シュートへつなぐコントロール、正解編
印象の理由
引くことの嘘
以上のように引く動作ではボールをコントロールすることができず、それを行う選手は例外なく下手である。
次のような誤った指導は根絶されなければならない。
⑤ 誤ったトラップ論
誤った指導法、パター型と引くトラップ
嘘の言い分、現実を理屈に閉じ込めること
引くトラップとパター型インサイドの嘘は、共に間違った理屈に現実を無理やり押し込むことから生じている。
*補足
地面にあるボールについて、簡単な状況では一般に考えられているものと異なるタイミングでルックアップが行われる。
空中編
最初に空中のボールにおいても「引く」という要素は必要ないことを見る。
⑥ 受動的接触、変形によるコントロール
空中、背後からくるボールのコントロール1
空中、背後からくるボールのコントロール2
空中、背後からくるボールのコントロール3
意図的な操作をともなわないコントロールに対する推察
浮き球、インサイドでのコントロール1
浮き球、インサイドでのコントロール2
思い込みと見え方
空中にあるボールのコントロール、簡単なまとめ
以上のように、引くという動作なしでボールをコントロールすることが可能である。
次に地面を利用したコントロールを見る。
⑦ 地面を利用したコントロール
地面と挟むコントロール、インサイド
地面を利用したコントロール、アウトサイド
地面を利用したコントロール、足の裏、三回衝突
コントロール、浮き球、足の裏、ニュートラル
コントロールにおいては、ボールを適切な位置に置かなければならない。
またそれと同時に自らの体勢を次のプレーに適した状態にしなければならない。
忘れられがちであるが体勢をコントロールすることは、ボールをコントロールすることと同等もしくはそれ以上に重要である。
⑧ コントロールと姿勢
やや浮いたボールのコントロールと姿勢、楔を受けてすれ違い
やや浮いたボールのコントロール、良い姿勢の作り方
コントロールとその後の姿勢
サッカーにおいて正対という概念が最も大切であった。
コントロールの方向、距離、回転を決めるものは次のプレーのアイディアである。
そのアイディアの中に正対が入っていなければ、どんなに上手くボールをコントロールできたとしても結局は下手なプレーを繰り返すしかない。
⑨ 次にコントロールと正対について見る。
以上においてボールを浮かせる浮かせないよりも、コントロール後に良い姿勢を作ることがいかに重要であるかを見ることができる。
⑩ 次に姿勢の崩れと理由について見る。
コントロール 浮かせまいとする場合、引くこと
コントロール 姿勢の崩れと理由
⑪ 次に質問を多くいただいた、いわゆるライナー性のボールの止め方を見る。
やや浮いて横から来るボールの止め方1
やや浮いて横から来るボールの止め方2
やや浮いて横から来るボールの止め方3
止まる動作と止まらない動作の比較1
止まる動作と止まらない動作の比較2
コントロールの全体
⑫ 最後にコントロールの全体像を見る。
コントロールの全体 体を浮かせること
コントロールの全体 緊張の緩和
コントロールの全体 体全体の移動
コントロールの全体 浮くことと落ちること
コントロールの全体
コントロールと育成
結論としてコントロールは地上、空中を問わず以下の形をしていると考えられる。
正対を避けるとどうなるかという完璧なサンプルが日本代表の試合ではいつもみられるので楽しみに観戦しております。
徹底的に正対を避けてきて、ここにきてチームを完成させたなーと、コンセプト設計、チームマネジメント、スケジュール感覚に感心することしきり。
いや、斜に構えていやらしく発言しましたが、嫌味で言うのではなく本当に頭も良く魅力もありすばらしい人物だと感じている岡田監督ですら、
根本を間違えるとこのようなことになってしまうのだなと。
また、すばらしい人物であるためにここまでひどくなっていってしまうということもあるのかと思い、恐ろしさを感じています。
2010/06/10 09:47 - nassy
確かに、日本代表は正対から見て非常に問題があります。
それは、ドイツ大会から続いています。
その中で、結果は非常によいものでした。
これが未来に向けてよいことだったかどうか、疑問が残ります。
2010/09/08 19:24 - studio fullerene C60
無題
えっ?日本代表ってイングランド戦から守備のやり方変えたってんじゃないんですか?
岡田監督が選手達に正対することの重要性を教えて変わったんだったとは。。。
2010/06/11 01:34 - NONAME
無題
最近「DVDでさらに上達!!阿部勇樹のサッカーレベルアップマスター」という本を読んだんですが…
この本に書かれているインサイドキックというのがパター型なんですね。
彼がどうしてインプレーとセットプレにあれほどの差があるのか、わかる気がします。
2010/06/11 08:24 - TS
インサイドキックに注目して見ました。
確かに、正面方向に蹴るときに強いパター型になっています。
インサイドからの蹴り分け、キックの見合いにおいて問題がある状態でした。
2010/09/08 19:26 - studio fullerene C60
無題
なんだか、だんだんとサッカーが怖くなってきた…。
観戦中の自分の口から出た野次を思い返してみて、ハッとした次第です…(泣)。
ひょっとすると、ぼくは繰り広げられているのがサッカーであれば、そこにいるのが自分だろうと他人であろうと、
それに意見を述べる権利はこれっぽっちもないのかもしれない。
怖いよー えんえん
2010/06/12 09:20 - きしりとおる
サッカーを教えるのは怖いことだと良く思います。
2010/09/08 19:27 - studio fullerene C60
無題
開幕戦を見ていましたが、マルケスのゴールは綺麗な「正しい」インサイドキックでしたね。
また、ドス・サントスのドリブルはまさに「正対」するドリブルで蹴球計画様の仰ることの意味を改めて痛感しました。
2010/06/13 21:15 - ZERO
正対に注目すると、今後とともいろいろなことがわかるような気がします。
メキシコはいつも応援しているのですが、なかなか驚くほど上位には行きません。
いつかその理由を解明できればと思います。
2010/09/08 19:34 - studio fullerene C60
無題
本日はじめて拝見しました。
非常に興味深い内容で参考になりました。
とくにインサイドキックの蹴り方は体の使い方として、利だと思います。
しかし、話が飛躍しすぎているところがあると思います。
まずパスアンドゴーに不向きとあるのですが、
確かにその間違ったけり方を正確にすれば次のアクションに無理があると思いますが
本当にパスアンドゴーが必要なとき、選手はそのようなけり方をしているでしょうか。
キックの方向が読まれやすい、とありますが実際に選手はそこまで見ているのでしょうか。
自分が相手のパスを読むときは、フィールドの場所、相手の場所、見方の場所、キッカーの目線、振り足の強度から判断します。
シャビのパスを事例として出していますがディフェンスはFWの選手位置を把握していないがため予測できていないと思うのすが。
どうでしょうか。
2010/06/20 23:46 - 体の使い方
本文中のメルテザッカーの正しい蹴り方からのパスアンドゴーや、シルバの足を返す蹴り方から飛び出しなどは実際の試合で見られます。
ぜひご検証下さい。
「実際に選手はそこまで見ているのでしょうか。」のそこは何を指すのでしょうか。
守備者がパスの受け手を把握できない有利な状況を、さらに有利な状況に導くのが蹴り分けの技術です。
インサイドからの蹴り分けは、正対という概念からもサッカーをプレーする上で本質的に重要です。
2010/09/08 19:41 - studio fullerene C60
トラップで当てる足の箇所
いつも楽しみに拝見しております。
毎度同じような質問ばかりしていて申し訳ありませんが、
インサイドトラップでボールに触れる箇所について質問したいと思います。
キックと同様、足のどこに当てるのかいつも疑問に思っていまして、今までいろいろ情報収集したり人に質問しておりましたが、
唯一、風間八宏さん著の「「 1対21 」 のサッカー原論」(だったと思います)という本で面白い記載を見ました。
昔、Jリーグが始まる前の時代の日本のリーグで日系ブラジル人のネルソン吉村という選手がいて、
彼は基本的に親指の側面でトラップをしていたらしく、著者は彼の真似をして、
親指の側面を使ってどんなボールでもトラップできるように練習したということです。
多分、
http://web.sc.itc.keio.ac.jp/anatomy/osteologia/A02508001c.jpg ※リンク切れ
の親指の基節骨の側面か、基節骨と第一中足骨のつなぎめの部分の側面のことを言っているのだと思います。
私自身は、インサイドトラップはインサイドキックと全く同じ場所、
内側楔状骨の側面の辺りで触っていますが、C60様の解説を読むうちに、
親指の方が本当にいいのではないかと悩むようになりました。
というのも、ボールの勢いを足首の変形によって吸収するというのなら、足の先でトラップしたほうが、
ボールに触れる部分の移動量は大きく、吸収しやすいと考えたからです。
また、ブラジルのロナウドの動画を見たときに、アップになったときに明らかに親指のつけねの側面で触っているシーンがありました。
(どの動画かわからなくなってしまいましたが・・・)
C60様は、何か考えをお持ちでしょうか。
また、触る箇所について何か定説を聞いたことはおありでしょうか。
(ちなみに、質問と関係ありませんが私の他のトラップの箇所も書きますと、つまさきトラップは人差し指基節骨の辺り、
アウトサイド、トラップは小指第一中足骨の側面か薬指第一中足骨、足裏トラップは人差し指でバックスピンをかけて止めます)
2010/07/01 01:12 - もんぐり
いつも有用な情報をいただきありがとうございます。
おっしゃるように、変形を用いてボールをコントロールする場合、回転軸からなるべく遠い部分に当てるほうが原理的に有利になります。
ですが、シューズは、先の方に近づくと曲率が大きくなります。
その手前、親指の付け根付近にあるやや真っ直ぐな部分に当てるのが一番安定するのではないかと思います。
それより先に当てると、右足なら右側にボールが抜けやすくなります。
背中から守備者が突っ込んで来るときなどは、それを利用して体を入れかえることが可能です。
はっきりとはわかりませんが、おそらく、ネルソン吉村の親指の側面というのは、基節骨と第一中足骨のつなぎめの部分のことではないかと思います。
どこに当てるかの定説というのは、残念ながら知りません。
映像から導きたいのですが、例によって、立体と立体の接触であることと、良い映像の不足で今のところできません。
またなにかありましたらお教え下さい。
2010/09/08 20:16 - studio fullerene C60
浮き球
引かないトラップを意識しだして、ようやくゴロのボールはできるようになりました。
が、プレミアなどで、サイドチェンジの浮き球を足を引かずにぴたっと止めているのが不思議でなりません。
もしよければ、それに関しての記事をお願いいたします。
2010/07/02 20:12 - ファビー
試していただきありがとうございます。
コントロールですが、まだ空中にあるボールについては解決していません。
いずれそこで触れることができればと思います。
2010/09/08 20:18 - studio fullerene C60
イニエスタについて
はじめまして、AJと申します。正しいインサイドや正しいコントロールについての記事を中心に読ませていただいてます。
分析についてお願いしたいことがあったのですが、こちらの記事にてコメントするのは正しく無い内容だったかもしれません。その点どうかご容赦願います。
自分はイニエスタのドリブルがとても好きで、まだ9カ月の息子にいつかそのやり方を教えてやりたいと考えていますが、
自分自身はフットサルの経験しかなく、最近になってこちらの上記の記事や分析を読んで眼からウロコの思いあり、日々参考にさせていただいております。
そこでなのですが、イニエスタのあの正確無比なタッチと相手の重心や守備ブロックのギャップを突くようなドリブルを目指す上で、より良い練習方法は無いでしょうか?
イニエスタ自身がドリブルに対してこだわりが無く、シャビなどは「ドリブルはファーストタッチの連続なだけ」であり、
相手の足の届かないところに置き続けるだけと考えてることも何かの記事で知りました。
パスもドリブルも試合の状況やリズムなどを考慮して様々に選択しているとも思います。
その上であえてお願いしたいのですが、イニエスタのドリブル(運ぶドリブルも突破も含む)の分析や解析と、
それを身につけるための練習法を考案していただけないでしょうか?
恐縮ですが、上記したイニエスタのドリブルの特徴を自分なりにまとめてみました。
①脚の様々な部分を駆使した正確無比なタッチ
②相手守備者の重心を崩すor逆を突く仕掛け
③守備のギャップを突いての進入突破
上記はイニエスタの一部分であり、正確なパスや広い視野や展開力など他の様々な要素が絡んで成り立っているものと思いますが、
自分はなにぶん素人に近い愛好者なのでその他の要素も教えていただければ幸いです。
不躾なお願いとコメントで失礼いたしました。今後も記事を楽しみにしていますのでどうかよろしくお願いします。
2012/01/03 00:54 - AJ
無題
編集お疲れ様です。いつも楽しみに見ています。
またまた参考にさせていただきます。
記事にないもので疑問になっていたことがあるので、返答いただければありがたいです。
¿¿¿胸トラップはどういう要領で行えばよろしいでしょうか???
足同様イメージはなんとなくわかるのですがいつも下手で・・・
ロナウジーニョとか上手い選手の映像を見ると、接触の時引くように見えたり少しやり方が違うのかと疑問に思っていました。
また今後ともよろしくお願いします。次はクロスの上げ方とか種類とかについて書いていただけたら個人的には嬉しいです。
上手いと下手の差とか。。。前に友人からベッカムは足の構造自体が一般人と違うっていうのを聞いたことがありますが、実際はどうか知りません。
失礼いたしました。
2011/12/07 19:34 - TM
日本人
いつも拝見しております.非常に勉強になることが多く,目から鱗が落ちることばかりです.
この正しいコントロールの話題に関しても,技術的な要素が非常にわかりやすく説明されており,実際に自分のプレーに取り入れてみようという意欲が湧きます.
ところで,良い動き,正しい動きの例として,主にスペインのトップ選手の写真を用いてご説明をされていると思います.
そこで気になったのですが,日本人のサッカー選手で,正しいコントロール,および,正しいパス(パター型ではないパス)を完璧にこなしているのは誰なのでしょうか.
個人的には,ガンバ大阪の遠藤選手がどちらにも当てはまるのではないかと思います.
2011/12/19 22:51 - まっつん
無題
はじめまして。
蹴球計画さんはキックや正対の記事が多くドリブルの記事は興味がないように僕は思います。2010年のwカップはスペインが優勝しました。
やはりパスサッカーのチームはボールロストの回数が少なくボールを持っている時間が多く、相手に攻撃の時間を少なくさせます。
しかも90分間で1,2点を取ればスペインはほぼ勝てるので、精神的にも余裕がある中で試合ができます。
そんな中個人技中心の南米勢は決勝には行けませんでした。
やはりサッカーではドリブルというのは最後の手段であり、
ドリブル(コーンドリブルやフリーでドリブル)の練習を公園で練習している子供たちをよく見かけるのですが、
こういう所も日本の悪い所なのでしょうか。
2011/12/30 16:39 - ガゴ
【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら。