思い込みと見え方


前回までに見た例は、どれも一般に信じられている「引く」という動作と無縁であった。
無縁であるにも関わらず、そのように認識されることは少ない。
ここではその理由を見る。

以前、下のようなコントロールを見た。
hbctrl19_33.jpg
hbctrl19_35.jpg
hbctrl19_37.jpg
hbctrl19_39.jpg
hbctrl19_41.jpg
hbctrl19_43.jpg
hbctrl19_45.jpg
hbctrl19_47.jpg
hbctrl19_49.jpg
hbctrl19_51.jpg
hbctrl19_53.jpg
hbctrl19_55.jpg
hbctrl19_57.jpg
見ればわかるように、足を引く動作をともなわずに接触が行われている。

ここから写真を間引く。
具体的には間を二枚づつ省略する。

結果は下のようになる。
hbctrl19_33.jpg
hbctrl19_39.jpg
hbctrl19_45.jpg
hbctrl19_51.jpg
hbctrl19_57.jpg
この連続写真では、足が常に動いているように見える。

間引くことにより面をつくって待つ動作が見えなくなる。
よって上コントロールが受動的であるという印象が薄くなる。

これを「空中にあるボールのトラップでは足を引くものだ」と思い込んでいる人が見ると、そのように見えなくもない。

特に接触後の写真を見るとそう見える。
hbctrl19_45.jpg
hbctrl19_51.jpg
hbctrl19_57.jpg
確かに足がボールに対して引かれるように動いている。

これをボールを止めるために足を引いたためそのように動いている、と解釈しようと思えばできる。
このように全く引かないコントロールであっても間を省略し、引くと思い込んだ目で見ると引いているように見えるなくもない。

現実の試合をテレビで見る場合、一コマ一コマ分解してゆっくり見ることはない。
これは画像を間引いた状態で見ることに近い。

このため思い込みを通した目で見ると、空中でのコントロールは本当に引いているようにしか見えなくなる可能性が高まる。

以下のコントロールも同様である。
hbctrl04_01.jpg
hbctrl04_03.jpg
hbctrl04_05.jpg
hbctrl04_07.jpg
hbctrl04_09.jpg
hbctrl04_11.jpg
hbctrl04_13.jpg
hbctrl04_15.jpg
hbctrl04_17.jpg
hbctrl04_21.jpg
hbctrl04_25.jpg
hbctrl04_29.jpg
hbctrl04_33.jpg
hbctrl04_37.jpg

hbctrl06_75.jpg
hbctrl06_77.jpg
hbctrl06_79.jpg
hbctrl06_81.jpg
hbctrl06_83.jpg
hbctrl06_85.jpg
hbctrl06_43.jpg
hbctrl06_45.jpg
hbctrl06_47.jpg
hbctrl06_49.jpg
hbctrl06_51.jpg
hbctrl06_53.jpg
hbctrl06_55.jpg
hbctrl06_57.jpg
hbctrl06_59.jpg
hbctrl06_61.jpg
hbctrl06_63.jpg
hbctrl06_65.jpg
hbctrl06_67.jpg
hbctrl06_69.jpg
hbctrl06_71.jpg
hbctrl06_73.jpg

最初の例の接触前後は以下のようになる。
hbctrl04_11.jpg
hbctrl04_13.jpg
hbctrl04_15.jpg
この体勢から膝下を一気に引くことが可能であるとは考えにくい。

緊張から開放された面にボールが当たり、それにより足が受動的に押された、もしくは弾かれたと考える方が自然である。

二番目の例では次のようになる。
hbctrl06_49.jpg
hbctrl06_51.jpg
hbctrl06_53.jpg

接触時とその直後の足先の向きは以下のようになる。
hbctrl06_87.jpg
hbctrl06_89.jpg
ここでは受動的に足が押される効果に加え、足首が外にねじれる効果によってボールがコントロールされたと考える方が自然である。

これまでの例から、

・引くという意識的な操作なしにボールコントロールは可能である
・操作可能な状況でもそれをせず、受動的な接触によりコントロールされうる

ということは断言できる。

また操作のないコントロールであっても、「引く」と思い込んだ目で見ればそのように見える可能性が高いことも言える。

次回はこれまでをまとめる。

無題
3.11以降、サッカーに限らず有用な個人発信のコンテンツの幾つかが失われた中で、蹴球計画の再開(?)は私にとって一つの希望です。
ありがとう。
2011/05/22 01:24 - [・-・]> ドウモスミマセン

無題
3.11以降、サッカーに限らず有用な個人発信のコンテンツの幾つかが失われた中で、蹴球計画の再開(?)は私にとって一つの希望です。
ありがとう。
2011/05/22 01:37 - [・-・]> ドウモスミマセン

Re:無題
コメントありがとうございます。
極めて不定期であり、常に再開を繰り返しているような状態ですが、今後ともよろしくお願いいたします。
2011/12/02 20:32 - studio fullerene C60

【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら

[ 前の項目へ | 選択に戻る | 次の項目へ ]