コントロールの全体
これまで、いくつかの状況でボールコントロールについて見てきた。
分類すれば地面に近いもの、高く上がったもの、その中間にあるもの、そのまとめ的なものである。
それらを総合すると、コントロールは全体として次のような姿をしていると考えられる。
大きな要素は3つある。
第一に筋緊張の緩和による接触部分の開放、それによる受動的接触による緩衝である。
次に地面から足を開放することによる体の向きと方向の変更がある。
最後に上から下に落ちることによる短時間での接地、姿勢の確保。これにともなうボールに縦に触ることによる地面の利用が挙げられる。
以上を浮くという動作が包み込んでいる。
正しいコントロールには二つのことが不可欠であった。
一つはボールを適切な位置に動きに制御すること。
一つは姿勢を次のプレーに適切な状態に制御すること。
この二つが揃って初めて正しいコントロールがなされたと言える。
上に書かれたものを分けると次のようになる。
ボールに関するもの
・受動的変形による緩衝(1、2、3、4、5)
・相対速度の減少(1、2、3、4)
・回転と地面の利用(1、2、3)
姿勢に関するもの
・受動的変形による緩衝(1、2、3、4、5)
・体の向き、位置の変更(1、2、3、4)
・短時間での接地(1、2、3)
・乱れを防ぐ(1、2、3)
受動的変形による緩衝はボールを止める能力が高く、またそれにより姿勢を乱すことが少ないため両方に入っている。
これらの要素はボールの高低によらず見られる。
実際のコントロールは上の要素の組み合わせで行われている。
以上は受動的変形による緩衝を主としており、ボールと同じ方向に飛ぶことで相対速度を減少させる効果も見られる。
しかしボールに縦に触れるという要素は全く見られない。
以上は要素として、受動的変形による緩衝および上から下に落ちることを多く含むコントロールである。
一方で体の向き、位置の変更という要素はほとんど見られない。
このようにそれぞれのコントロールで含まれる要素は異なる。
浮くという点を比べても最初のものは前方に飛ぶように踏み切っており、二番目のものは相対的に軽く浮いているだけである。
そのような違いは、もととなる要素の組み合わせとその割合の差からくるものであるとみなすことができる。
次にコントロールと育成について見る。
【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら。