インサイドキック表から表への変換
これは「正しいインサイドキックとは」の続きである。
これまで表から裏への変更としてインサイドキックで、軸足側から蹴り足側へパスの方向を変える技術について見た。
ここではその逆、蹴り足方向から軸足方向へ変更する技術について見る。
下の状況で画面左側の選手がボールを持っている。
ここでは、下のオレンジで囲まれた守備者の動きに注目されたい。
守備者は画面手前側に動いている。
これはその方向へのパスを読んだからである。
実際のパスはその後ろを通る。
この場合、赤いパスで守備者を黄色い方向に動かしその裏に白い矢印のパスを通している。
このキックフォームを見る。
特徴は真っ直ぐな踏み込みから軸足を外側に開いて着地すること、体を蹴り足側に倒すことである。
軸足を踏み出す。
ここまではほぼ真っ直ぐに踏み出している。
ここから膝とつま先を開きが大きくなる。
着地
インパクト直後
インパクトの辺りから体の捻りが大きくなる。
ここでは赤い矢印のパスを見せ、白い方向に変化させている。
表のインサイドからさらに表方向、つまり軸足側にコースを変えている。
その意味でインサイドの表裏に対し、インサイドの表表と呼ぶことができる。
同様の蹴り方が他の場面でも見られる。
画面左側、中央付近の選手がボールを持っている。
ここから画面右方向へパスが通る。
ここでワンタッチの後、ラインの裏にパスが通りゴールが決まる。
パスの方向とディフェンスの動きを見る。
下図において白で囲まれたのがパスを出す選手、オレンジで囲まれたのが守備者である。
ボールコントロール時
インパクト直後
2つの図を比べるとオレンジで囲まれた守備者が、より中央へ移動したことがわかる。
実際のパスは守備者が移動した後を通る。
この場合、赤いパスで守備者を黄色い方向に動かし、その裏に白い矢印で示されるパスを通している。
このキックフォームを見る。
遠景のみであるが全体の動きは、上で見た蹴り方とよく似ている。
ここで見た2つのパスを比較すると下のようになる。
原理は同じである。
またこれとほぼ同じパスが、以下の動画の最初に見られる。
jp.youtube.com/watch?v=W07T-3j74SY(※リンク切れ)
この蹴り方では下の図のように、赤い矢印から青い矢印に方向を変化させることができる。
変化の方向は蹴り足方向から軸足方向だが、2つの矢印とも体の正面より軸足側にある。
以前に見たインサイドの表から裏への変換は下のようになる。
この2つを用いればインサイドの表を軸として、左右両側に蹴り分けることができる。
これは実際のプレー、特に相手との駆け引きにおいて有効である。
相手を騙すためには体と軸足のつま先が最後までフェイントのパス方向を向き、ボールと足が実際にその方向にパスを出すことのできる配置である必要がある。(参考)
しかしここで述べたインサイド表表変換においては、軸足を踏み出し方向から変化させなければならず、また、体を蹴り足側に倒さなければならない。
フェイントの効果を増大させるためには、これらの変化をできるだけ遅らせるとよい。
パスコースを変化させようと思うと踏み出しの早い段階で、つま先を大きく蹴る方向に開いてしまう選手は多い。
それでは簡単に意図を読まれてしまう。
次にこの蹴り方をより短い距離で使う例を見る。
その後、インサイドキックとインステップキックを統合した形で技術体系を作ることを考える。
【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら。