浮くことと不可測であること
前回はニュートラルな状態で浮くことは前後の関係を切り、予測を難しくすることを見た。
ここでは浮いてニュートラルな姿勢自体が、次のプレー予測を難しくすることを見る。
浮くとは具体的に以下のようであった。
例えばこの選手は、ここから左に踏み込み右に切り返す。
すでにこのプレーを見ているためにそれがわかるが、知らずにそれを言い当てることは非常に難しい。
この姿勢自体は次のプレーについて何も物語っておらず、それを言い当てる材料を提供していない。
この点をはっきりさせるため、次の三つの状態からの変化を見る。
1.
2.
3.
いずれも軽く浮いてニュートラルに近い状態にある。
この前後は以下のようである。
1.
浮く以前
浮いた状態
浮いた後
利き足と逆に踏み込みアウトで切り返している。
2.
浮く以前
浮いた状態
浮いた後
インサイドで触れボールを持ち直している。
3.
浮く以前
浮いた状態
浮いた後
アウトで切り返すフェイントから、インサイド方向へ抜けている。
以上ではボールの触りかたにおいてアウトサイド、インサイド、アウトサイドへのフェイントからインサイドの違いが見られる。
また最終的な状態もアウトへの切り返し、相手に向かったままボールの持ち直し、インへの切り返しとそれぞれ異なる。
このように浮いた状態からは、様々な変化が可能である。
これは以前に見た、見合いの原理に合致している。
上の状態から右足をつくのか左足をつくのか両足で着地するのか、次にアウトで触るのかインで触るのか、右に切り返すのか左に切り返すのか、それを断言することはできない。
これはニュートラルな体勢の中で、それら全てが見合いになっているためである。
前回に見たように、浮くことはプレーの前後の関係を切るため予測が難しくなる。
また浮いた姿勢そのものが様々な動きを見合いにしているため、そこから次を予想することは難しい。
過去から未来を読むことが難しく、現在から未来を読むことも難しい。
この不可測性は、浮くことの利点であると考えられる。
次も浮くことの利点を見る。
【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら。