正対からの技術ミニマムの活用 拡大図
ここでは、その拡大図を見る。
(画像出典:Maradona Goal V England 1986)
最初の部分では進入正対が行われている。
そこから軸足側へのドリブルと、蹴り足側へのドリブルが見合いになったプレーが行われる。
正対から相手を受身に回すことで、守備者の近くを抜けている。
これは、後ろから追う守備者の前に出るために非常に重要である。
もしスラロームを行い、一番近い守備者とサイドラインの間を走る方向から中央へ大きな切り返しを行った場合、中央の守備者に追いつかれる可能性が高い。
この点に関する実例は以前に見た。
次に2人目を抜く場面を見る。
ここでも進入正対が行われている。
そこから蹴り足側へのドリブルと軸足側へのドリブルが見合いになったプレーが行われる。
これは進入正対がドリブルと相性が良いことを端的に表している。
最初、守備者は保持者の正面で止まる動作に入ろうとしている。
そこでボールを小さくアウト方向に動かす。
守備者はそれに反応する。
止まる動作に別の動作を強要されたため、この状態ですでに傾いている。
左足のインサイドで逆へ切り返す。
守備者は完全にバランスを崩している。
この状態ではファールを行うことすら難しい。
正対からのドリブルが原理的にファールを受けにくいことは、これまでにも見た通りである。
続いてキーパーを抜く場面を見る。
ここでは抑止正対が行われている。
そこから、蹴り足側へのパスと軸足側へのドリブルが見合いになったプレーが行われる。
技術ミニマムの図では以下のように表される。
以上のプレーは下のように表される。
このプレーはキーパーを抜いた後のプロテクションなど他の要素を含むものの、主要な部分は正対と技術ミニマムを通して達成されている。
技術的頂点とは、正対を極めることであることを示唆する例と言える。
【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら。