止まる動作と止まらない動作の比較2
ここでは、同じようなボールに対する横の動きでのコントロールを見る。
以前に次のようなトラップを見た。
これの膝から下の動きを追う。
線を拡大する。
黄色が前段階、赤が接触直前、濃い青が接触直後、水色が接地に向けた動きである。
順次引かれる様子が見える。
これを前回見た動きと比較する。
右が今回見た横の動きであり、左が前回見た縦の動きである。
違いをはっきりさせるため、最初の3段階を取り出す。
特に傾きの変化において、全く異なることを見ることができる。
実際の動作比較は次のようである。
この図はコントロールの下手な選手と上手な選手の差を明快に示している。
ごく単純に考えると、縦方向の動きで横からくるボールを緩衝できるとは思われない。
しかしこれまでに見た受動的に接触面が後退する効果、及び逆回転を考えることで理解されうる。
横から来るボールと縦に動く足が接触する。
ボールと当たることにより首から先は外へ旋回し、全体的にも外側へ動く。
これにより横方向の緩衝が起こる。
また表面の摩擦によりボールに逆回転がかけられる。
上から下に叩かれたボールは地面に跳ねる。
逆回転の効果により遠くには行かず、地面の緩衝効果により反発が抑えられる。
これまでに見たメカニズムの複合により、縦の動きで横方向に動くボールをコントロールすることができるものと考えられる。
今まで地面に近いボール、高いボール、やや浮いたボールについてコントロール法を見てきた。
次回はそれらに共通する点を取り出し、コントロールの全体像についてまとめる。