コントロールの全体 体全体の移動
ここでは浮くことにより地面についた足が開放され、体全体の移動が可能になる点を見る。
実例は次の通りである。
最初、体はいわゆるマイナス方向を向いていた。
体を浮かせて旋回させることにより、相手ゴール方向に向き直っている。
地面についた足を浮かせることによって、体全体を旋回させることができる。
またこのような動きは向きを変化させると同時に、ボールとの相対速度を減らす働きを持つ。
体を浮かせない、すなわち地面にべったり足をついた状態でこのような効果を得ることは不可能である。
この状態から前方へ移動したいが地面についていた足が回りきっていないため、そのまま前に踏み出すことができない。
このため足の踏み変えが必要になる。
二つを一フレームごとに比較すると次のようになる。
左が浮かないものであり、右が浮くものである。
トラップはドリブルの一歩目である、といった言葉がある。
右は正しくそうなっているが左は踏み変えが必要なため、行動が遅れていることがよくわかる。
その原因は地面にべったりと足をつけてトラップを行うことであり、そのような選手はドリブルのみならず全ての点で次のプレーへの移行が遅れる。
これはサッカーが下手であることの大きな原因となる。
(参考:「正しいコントロール、利点3、次のプレーへ移る」)
それを防ぐためにはボールとの接触において、浮くという動作が不可欠である。
同様の例は「やや浮いたボールのコントロール、良い姿勢の作り方」でも見た。
次回は浮くことと、上から下に落ちることの関係を見る。