正対の種類 主導正対


前回は前進正対とその一部である進入正対を見た。
ここでは主導正対を見る。




主導正対

主導正対とは守備者と正面から向かい合い、そのまま押し下げる正対を指す。

具体的には次のようなプレーを指す
zidanst2_01.jpg
zidanst2_05.jpg
zidanst2_09.jpg
zidanst2_13.jpg
zidanst2_17.jpg
zidanst2_21.jpg
zidanst2_25.jpg
以上において前に出る保持者に対し、守備者が後ろに下がっている。
この状態を作ることができれば前方へのパスを通しやすい。

守備者は足を横に揃え、やや沈み込んだ体勢を取る時、最もパスカットの範囲が広くなる。

これに対し後ろに下がる姿勢では横の動きは制限され、パスカット範囲は極めて小さくなる。

守備者の横の動きを制限することは、ドリブルにおいても重要な意味を持つ。
garinshastd_01.jpg
garinshastd_03.jpg
前に出る保持者に対し、守備者は後ろへ下がる。

保持者は守備者に向けてボールを突く。
garinshastd_05.jpg
garinshastd_07.jpg
garinshastd_11.jpg
garinshastd_15.jpg
garinshastd_19.jpg
garinshastd_23.jpg
garinshastd_27.jpg
守備者は非常に苦しい体勢にある。
これは最初に後ろに下がる状態で抜かれたためである。

このため横への対応が遅れる。
garinshastd_29.jpg
garinshastd_33.jpg
garinshastd_37.jpg
garinshastd_41.jpg
garinshastd_43.jpg
garinshastd_47.jpg
正対から相手を押し込み、そこから縦に抜いている。
パスでも見たように後ろに下がると、横の動きに対して反応しづらい。

また後ろに下がるということはボール保持者との距離を空けるということであり、切り返された後、再び詰めるのに時間がかかる。

正対により押し込むことで守備者に不利な体勢を余儀なくさせ、そこから抜く。

本当のドリブルとは、横の動きで相手をかわすことではない。
前進から押し込み、そこから抜くことのできる選手を真のドリブラーと言う。

以上、正対がパスにもドリブルにも本質的に重要であることを見た。

正対が本質であるということは、正対から使うことができる技術を身につけることが、プレーを向上させる最適な道であることを意味する。

これまでも見たように、正対からは前方へ常に4つの選択肢が存在する。
左右を抜くパスとドリブルである。

最低限この4つのプレーができれば、試合で役に立たない選手になることはない。

その意味で技術ミニマムと呼ぶべきものである。
次回はこれを見る。

素晴らしい!
これまでサッカーをしてきた割には、上手い・下手をここまで意識することは無かったです。
上手い、下手の定義から始まり、上手いプレーの本質を探る。
日本語でこのように示されているのは、本当に貴重なエントリーだと思います。
次は、実際の技術について入っていくのかと思いますが、今後も更新を期待しています。
2010/03/05 10:26 - グティ大好き

Re:素晴らしい!
コメントありがとうございます。
読んでいただいていることを知ることは、大変励みになります。
これからも、ご期待に添えるよう頑張ります。
今後ともよろしくお願いします。
2010/03/10 11:05 - studio fullerene C60

正対で、サッカーし始めた息子
初めてコメントします。蹴球計画さんのHPを知ってから2年程が経ちました。
その間、ずっと息子に正対することの重要性を話し続け、それに近い動画を見せてきました。
最近世帯からドリブル突破することが炊けてきたように思い、感謝を込めてYOUTUBEに動画をアップしました。良かったら見てください。
http://www.youtube.com/watch?v=H585GC7V-B4
2011/10/08 22:48 - takesgi1956

Re:正対で、サッカーし始めた息子
非常に興味深い動画をありがとうございます。

メールでご返信させていただいたのですが、手違いによりそのアカウントにアクセスできなくなってしまいました。
なにかありましたら、メールフォームかコメントでいただければ幸いです。
2011/12/06 15:22 - studio fullerene C60

無題
すみません。名前を間違えて入力してしまいました。正しくは、takeshi1956です。
2011/10/19 14:46 - takeshi1956

メッシについて
2回目の投稿になります。
質問ですが、メッシは右サイドからカットインする時、正対せずにカットインするときが多いです。
カットインした後にバランスを崩さないのであれば、大きな角度で切り返したほうがいいのでしょうか。教えて下さい。
2011/12/04 20:24 - カットイン

無題
自分もメッシについてはいろいろ見てるんですが、上手いかうまくないかで言えば、そりゃ上手いんですが、
感覚的に、例えばイニエスタなどと比べると落ちるなあ、という印象がどうしても拭えません。
カットインさんの言うように正対する部分もそうなんですけど。あくまで感覚的に、なんですが。
それならば何故抜けるのか、という部分は彼の場合技術以上に、フィジカルなんじゃないか、と漠然と考えてます(これも感覚的に、です)。

その感覚を理論化できないかなあ、と思うのですが、蹴球計画さんはどう見られますでしょうか?
2011/12/08 12:56 - TS

無題
ご無沙汰しております。
とても丁重なメールをありがとうございました。

最近、息子が2種類(私が思っているだけかもしれませんが)のドリブルをしたので、youtubeにアップしました。よろしければ見てやってください。
正対ドリブルと、メッシのようなドリブルです。
http://www.youtube.com/watch?v=e7mD0dUOGT8
2011/12/25 08:50 - takeshi1956

メッシについて
2回目の投稿になります。
質問ですが、メッシは右サイドからカットインする時、正対せずにカットインするときが多いです。
カットインした後にバランスを崩さないのであれば、大きな角度で切り返したほうがいいのでしょうか。教えて下さい。
2012/01/04 18:46 - カットイン

無題
息子さん、うめーーw
2012/01/06 13:59 - a

正しいインサイドキック?
上の記事の最初の絵(カラーで白黒ではない方)で、白いユニフォームの選手が、赤いユニフォームの選手に向かって、主導正対し、そこからパスを出したのですが、
この後ろに体重が残って、バランスを崩しているように見えるのですが、これは正しいインサイドキックではなく、パター型なのでしょうか?
2012/01/17 19:31 - セスク

動画は非公開にしました。
ここにお知らせしたyoutubeにアップした動画を非公開にしました。ここのコメントに書き込みをしてから2つの動画には、考えられない程の数の再生があり、
蹴球計画さんを利用してしまったようで心苦しく思ってきました。そこで、非公開にすることといたしました。
蹴球計画さんがご覧になりたい場合は、一時公開としますが、基本的に変えないようにしたいと思います。

最近の息子の近況ですが、フェイントでは、マシューズフェイントがたけてきました。また、正対してパスもできるようになってきました。
今後とも、拝見させていただきます。よろしくお願いいたします。もうしわけありませんでした。
2012/02/26 19:27 - takeshi1956

【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら

[ 前の項目へ | 選択に戻る | 次の項目へ ]