正対した場面で簡単に使える技
これまで技術編において、相手と正対することがいかに大切であるかを見てきた。
ボールを持って体の正面を相手に向けることなくして、サッカーはなく真の技術もない。
しかしボールを奪われる恐怖がそれを阻害する。
正しい技術を身につければ、恐怖を克服することができる。
ここでは相手にボールを取られないための技術で、習得が容易なものを紹介する。
着地する足の横を通してボールに追いつく(アウトパッセ)
以前に見たように、前に出てくる相手に対しては次に着地する足の横、または上を狙えばよい。
その一例として下の図のように相手の着地する足の横にボールを通し、それに追いつく方法がある。
これを練習するためには、下図のようにするとよい。
適切な距離をおいたディフェンダーから向かいあった状態でパスをもらう。
パスを出したディフェンダーは、ボールを奪うために飛び込む。
パスを受けた選手は体の正面を相手に向けたまま地面につく足に注目し、その横にボールを通し追いつく。
ボールを通した同じサイドを走ってもよく、サイドを想定するような場合はボールと逆、
例えばボールを左に通し、自分は右を抜けてもよい。
このような技術をスペイン語ではアウトパッセ、自分へのパスと呼ぶ。
最初の距離は6mほどでよいが、技術レベルにより増減させるとよい。
ボールを踏む(ブロック)
前から飛び込んでくる相手に対し、ボールを踏むことによりキープする。
ボールを踏むことにより、前から飛び込んでくる相手をブロックする。
飛び込んだ選手の足は、反作用により跳ね返される。
また飛び込むことによりバランスを崩すため、素早く次のプレーに移ることができない。
その間を利用してプレーを続ける。
このような技をイギリスではブロックと呼ぶらしい。
ただしこの技は、横から飛び込む相手に対しては使わない方が良い。
踏んだ選手の膝から下が、外側に折れているのがわかる。
靭帯を痛める可能性があり、このような場面では踏まない方が良い。
後の先
無理に飛び込んでくる相手は、必ずバランスを崩している。
このため自分がバランスを崩さなければ、次のプレーにおいて有利になる。
上の流れでロナウジーニョは体の力を抜き、軽くジャンプしているだけである。
そこから相手とボールを見て、相手が触った後のボールを軽く横に流している。
最後の写真においてロナウジーニョは次のプレーに簡単に移ることができる。
しかし飛び込んだアシュリー・コールは完全に倒れている。
誰がこぼれ球を拾うかは明白である。
相手の足に当てる
相手に詰められ右にも左にもいけなくなった場合は、どちらかに動くふりをして、
相手の出す足にわざとボールを当てればよい。
相手としては予想外の行動であり、そのためバランスを崩し対応が遅れる。
相手の意表をつくことは常に有効である。例えば詰めてくる相手に対しその真正面にパスを出した場合、ディフェンダーが正しく反応することは難しい。馬鹿げた技だが試みると相手は必ず面食らう。
*コツ
飛び込んでくる相手をかわす場合、最も重要なことは、自らバランスを崩さないことである。
バランスを崩さぬ状態で相手を見ることから始め、そこからかわすためのフェイントやパス、
ドリブルを試していけば距離を詰められることに対する恐怖はなくなる。
そうなれば相手と正対することが可能になる。
*育成、子供への指導
飛び込む相手をかわすパッシブなドリブルを身につけることは、相手と正対することの恐怖を取り除く。
正対しない限り本当の技術は身につかないのであるから、これを習得することは非常に重要である。
それに適した年代は、小学生の低学年から中学年である。
この年齢の子供はボールに触りたい一心で、どんどん相手に飛び込む。
このため正面を向き、それをかわす技を身につけるのに適している。
コーチとしては飛び込む子供に対して「そうするとかわされてしまうから、我慢しなさい」と教えたくなる。
なぜなら、それがディフェンスの基本だからである。
しかしそれを先に教えてしまうと、攻撃において相手と正対する技術を磨く機会を失わせる。
正対する技術を磨いた後に、守備で我慢することを教える方が良い。
いろいろあって面白いですね。
私はよく股抜きを狙います。
抜けば「アウトバッセ」ですがよく「相手の足に当てる」になります。
そうなると回収できないことが多いので、待ってから反応したほうがよさそうですね。
御馳走様でした
2008/09/04 14:33 - 草サッカーマニア
股抜きも狙い目ですね。
前に出る相手は、自分からバランスを崩しているので、落ち着いていればなんとかなるものです。
お役に立てたならなによりです。
2008/09/15 04:59 - studio fullerene C60
【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら。