スラロームの欠陥 カットされやすい選手配置
前回はスラロームがファールに弱いことを見た。
ここでは、その配置上の欠陥を見る。
スラロームでは、切り返しが原理的に相手に近づく。
このため最初のフェイントで相手を大きく釣れない場合、簡単にカットされる。
以下、実際にカットされる例を見る。
このプレーは下図にまとめられる。
現在の進行方向から新しい進行方向に変更する際、ボールが守備者に近づく。
このため相手が最初のフェイントにひっかからなければ、簡単にカットされる。
次も同様の例を見る。
下の図において白いチームは左へ攻めている。
今、白い丸で囲まれた選手がボールをコントロールし、サイドライン方向にターンする。
このプレーは下図にまとめられる。
切り返しにおいて、ボールが守備者に近づくことで簡単にカットされた。
また味方のペナルティーエリアに近いところでボールを失ったため、一瞬でピンチを迎えた。
このようなプレーに対しては、通常「判断が悪い」という言い方がなされる。
ゾーンによるリスクコントロールが云々という形である。
しかしスラローム的プレーが体に染み込んでしまった選手は、相手を避けそこから技を出さざるを得ない。
守備者をかわそうと思えば、原理的にカットされやすいプレーしかできない。
つまり身に着けている技術が根本から間違っている、もしくはサッカーに向いていない。
このことの方がより大きな問題である。
以上、スラロームは幾何的な配置の段階で、切り返しにより相手に近づきやすいことを見た。
このためボールをカットされやすい。
同時に相手に近づくことは、ファールを受けやすいことにもつながる。