同サイドでの変化に対する守備者の反応


前回までドリブルにおいて、同じサイドでの変化が重要であることを見た。

同じサイドでの変化とは、以下の図における2から3への変化である。



ここでは、2から3への変換が行われた場合の特徴について見る。

1つの特徴は、保持者と守備者の間が開くことである。
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最初、守備者は下の点線方向に対して反応する。
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実際のボールはそこから実線方向に動きを変える。
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これにより守備者の加速方向とボールの移動方向にずれが生じ、間が開く。
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この間隔の開きは、2、3変換が有効に行われた時の特徴である。

同様の状態で守備者が無理に加速の方向を変えることがある。
その場合、同じサイドに反応しているにもかかわらず姿勢に乱れが生じる。

最初、守備者は保持者の動きから予想して下の点線方向へと反応する。
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実際のボールは実線方向に動く。
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同サイドでの変化、2、3変換が行われている。
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このままでは守備者と保持者の距離が開く。

これを避けるため守備者は移動方向を変える。
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それを無理に行った場合、それが原因となって体勢を崩す。
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この体勢の乱れは2、3変換が有効に行われた時の特徴である。

上と同様の状況で守備者の体が煽られる、もしくは上体が後ろに反ることがある。
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守備の上体が起きている。
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最初、守備者は下の点線方向に対して反応する。
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実際のボールはそこから実線方向に動きを変える。
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2、3変換が行われている。

このままでは守備者の加速方向とボールの移動方向にずれが生じ、間が開く。

それを防ぐため守備者は加速の方向を変えようとする。
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点線方向から実線方向に変える。
その過程で上体が反る。

この体勢の乱れは2、3変換が有効に行われた時の特徴である。

次に守備者が足を出す場合について見る。
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上の保持者の動きから予想されるボール進路は次のようである。
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これに対して守備者は足を出す。
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しかし、ボールは予想進路よりも画面右側へとずれる。
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このため足が届かずに抜かれる。
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おそらく守備者はボールに届くと思って足を出してる。

確かに点線の方向であればボールを弾くことができると思われる。
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しかし、そこからボールが逃げるため届かない。
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この体勢の乱れは2、3変換が有効に行われた時の特徴である。
2、3変換が存在する場合の特徴を列挙すると次のようである。

保持者と守備者の間が開く。
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追う守備者が体勢を崩す。
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守備者の上体が煽られる。
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守備者が足を出すが届かない。
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これらは単独で表れることもあれば、複合することもある。
このことは守備者の動きから2、3変換の有無を判断する時に有効である。

ドリブルと同サイドに反応しているにもかかわらず守備が不自然な挙動を示す場合、2、3変換が行われた可能性が高い。
ここまで、ドリブルにおいて同サイドでの方向の変化、2、3変換が重要性を持つことを見た。

また同サイドでの方向の変化が行われた場合の守備者の動きの特徴について見た。
ここまではイン側へのドリブルのみに注目した。

次にアウト側へのドリブルについて見る。

お疲れ様です。
初めまして。こちらの記事を繰り返し読み返しては更新を心待ちにしておりました。
今回のドリブルのシリーズも、サッカーを観る/考える為の新しい視点をもたらして頂き、大変有難く思っております。
2015/01/30 08:31 - peptk

更新有難うございます
自分が正対浮きから懐姿勢使ってインで抜こうとすると決まって相手に引っ掛けられる理由がようやくわかりました。
逆に取れると思って足出したのにあっさりかわされた理由も。これ知っただけで一段階上手くなった気がします。
浅い角度を見せて深い角度でかわすドリブルの解説でしたが、深い角度を見せて浅い角度でかわすドリブルも応用としてありな気がします。
股抜きのセオリーってコレですよね?またの更新をお待ちしております。
2015/02/01 17:41 - roro

【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら

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