動きの分割と動作の予測、見合い
ここでは動作の予測について見る。
次の動きにおいて、左足の動きを予測する。
おそらく、最も自然な予想は左足を真っ直ぐ前方へ着くことである。
この場合、着地後の予想進路は次のようである。
しかし実際には次のように着地する。
左足が外側に動く。
この場合の予想進路は右側にずれる。
このずれは動きの分割によって生じる。
動きの前半で正面方向に加速し左足を前に出す。
この動きは正面方向への移動を予測させる。
しかし踏み切った後、体が空中に浮いた状態で着地する足が別の方向に動く。
これにより予測進路がずれる。
動きの分割は踏み切り前後において、自然な形で方向の変化を含んでいる。
いわば自然な形でフェイントを含む。
このため分割された動きは本質的に予測が困難である。
また動きを分割することは見合いの概念につながる。
見合いとは、ある姿勢において複数の可能性を同居させることである。
この姿勢から足を外側に動かすことができる。
そして、おそらく正面方向に着地することも可能である。
そうであれば最初の姿勢は、正面方向に着地することと外側に着地することを見合いにしている。
これは地面と空中の間にある中間状態、踏み切りの状態において見合いが形成可能であることを意味する。
以下の2つの姿勢について見る。
それぞれの姿勢は次の過程からできる。
ここからの変化は次のようである。
左側はアウトに足をつき、右はインに足をついている。
踏み切りの姿勢は次のようであった。
おそらく、どちらの体勢からもお互いの最終状態に変化することが可能である。
例えば右の姿勢を拡大する。
これを真ん中にインとアウトへの着地を左右に並べる。
真ん中の姿勢から、左右両側に変化することは可能であると考えられる。
別の踏み切り姿勢は次のようであった。
これについても同様のことを行う。
おそらく真ん中の姿勢から、左右どちらへの変化も可能である。
これは上の踏み切りの姿勢において、インへの着地、アウトへの着地が見合いになっていることを意味する。
踏み切りでの見合いについて、さらに見る。
それぞれ踏み切りにおける姿勢であり、互いに似通っている。
ここからの変化を予測する。
もし正確に予測できなければ、これらの姿勢において互いの変化が見合いになっているといえる。
上の3つの踏み切りは次のように作られる。
その後の動作を見る。
左は次のようである。
中央は次のようである。
右は次のようである。
それぞれ似た体勢で踏み切り、最終的な体勢が異なる。
おそらく、この変化を正確に言い当てることはできない。
これは浮いた段階で、それぞれの行動が見合いになっていることを意味している。
上の中央の状態から左に変化することも、右に変化することも可能である。
そして、その正確な予測はおそらく不可能である。
動きを分割することは自然な形で方向の変化を含み、行動の予測を困難にする。
この特徴を最もよく発揮することがで踏み切り姿勢は、例えば次のようである。
左右への歪みが少ない状態であり、右に変化することも左に変化することもできる。
もし正対においてこの状態を取れば、左右が等しく見合いになる。
これは正対の利点を最大限に生かすことにつながる。
動きの分割は自然な形で方向の変化を含み、そのため予想が困難である。
その特徴を最大限に用いるには、踏み切りにおいて左右を均等に見合いにした状態が望ましい。
ここまでに見た分割された動きの特徴についてまとめる。
分割された動きは無駄な勢いを抑える。
これにより素早く安定した動作が可能となる。
分割された動きは小さな初動で大きな変化を引き起こすことができる。
このため周囲の変化に素早く対応することができる。
分割された動きは本質的に予測が困難である。
これは守備者の対応を難しくし攻撃を助ける。
最後に分割された動きでは、踏み切りにおいて見合いが形成可能である。
これは行動の予測をさらに困難にし、正対からのプレーをより有効にする。
これらの特徴はサッカーをプレーする上で利点が大きく、分割する動きが必然として存在する理由となる。
次に見合いと異なる踏み切り姿勢について見る。
【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら。