バルセロナ 後方からの組み立てに関して
「バルサがチグリンスキーとマックスウェルを取った意図やな」
「おそらくそれは単純であろうと思われる」
「去年、バルサに対しては下のような守備が有効であった」
「プジョルとアビダルを空けて守るパターンやな」
「組み立ての下手な2人に持たせても怖くない」
「そこを離すことで他の場所に人を増やせる」
「そうすれば楽に守れるではないか」
「という思想はバルサ対策として非常に有効であった」
「その代表的な試合がクラシコになる」
「このパターンはセンターバックの右にマルケス、左にピケを入れても有効であった」
「その代表例はチャンピオンズリーグ準決勝チェルシーとの第一戦に見られる」
「もしそこに、もっと組み立ての上手い選手を入れたらそんな守備はできないでしょう」
「というのが補強の意味だと考えられる」
「しかしチグリンスキーはピケより良いのかね?」
「軸足側へのパスだけならピケより上手いし、ピケも蹴り足側への変更は下手だから総合的に見ればいいんちゃうかね」
「バルサとしては去年の欠陥を補強し、これでさらに強くなるはずであるが」
「はたして本当にそうかというと疑問が残る」
「その疑問の種となるのがルビン・カザンとの試合やな」
「特に第二戦、カザンホームの試合で下のように守られた」
「この中身を詳しく見ると下のようになる」
「カラデニズがトゥレ、ドミンゲスがシャビを見て、アンサルディがメシを見る」
「カラデニズとドミンゲスは役割を入れ替える場面も多いが、基本そうなっている」
「その上でピケ、プジョルの2人を空ける」
「第一戦のルビン・カザンはこのような守備をしていない」
「前線の2人は横並びで普通のゾーンで守っていて、上のような傾斜をつけていない」
「バルサとしては、これで守られてしまうとなると苦しい」
「相手としては前に出なくていい分、わりと楽に守ることができる」
「じゃあ去年は何が違ったかというと」
「マルケスが違う」
「もしマルケスがいれば、相手は一人フォワードを前に出さざるを得ない」
「そうなれば上の形でドミノ倒しのように次々とスペースが空く」
「その空間を上手く使えば相手は崩れる」
「そのとっかかりを作るには、相手を引っ張り出さないといけない」
「ところがピケとプジョルでは相手が乗ってきてくれない」
「これでは崩すとっかかりがない」
「プジョルをチグリンスキーに変えても、同様のことが起こる可能性は高い」
「そうなれば、バルサは今後とも苦労が続くと予想される」
「ならマルケスを右に入れればいいじゃないか」
「という話になるがそれはなるべく避けたい」
「アウベスを上げると右に穴が開く」
「そこをカバーするのが遅いマルケスでは、弱点にさらに弱点が重なる」
「去年のバルサの大きな欠陥の一つで、これを繰り返すのはグァルディオラとしても避けたいのではないかと思われる」
「はたしてどうなっていくのか」
「非常な注目ではなかろうかと」
「さらには技術改善で話題になったアビダルが、さらに上手くなっているので」
「非常な注目ではなかろうかと」
「ちなみに対バルサで言えば、オサスナのカマーチョが非常にらしい守備を見せていた」
「まずきちんと守備ラインにプレッシャーをかけていく」
「アランダがピケに詰めて横パスを誘い、そこにパンディアーニが詰めさらに横パスを誘う」
「アビダルにファンフランが寄せ、長いボールを蹴らせて回収する」
「バルサ相手に前から叩きにいくあたりが、カマーチョらしい」
「さらにはパンディアーニを使った中盤の締め方も興味深い」
「例えばシャビがボールを持った時、ネクナムが詰めその横のスペースをパンディアーニが埋める」
「あたかも1-4-1-4-1に見える」
「さらに押し込まれた場合、1-4-4のラインの前をパンディアーニが埋める」
「前でも中央でも後ろでも絶対にスペースは渡さんという守備で、カマーチョのきかん気の強さが良く表れている」
「それを実現するために、パンディアーニが非常な苦労を強いられる」
「上の流れを追うと隣のアランダと走る距離が格段に違うことがわかる」
「それなのに、パンディアーニがフル出場でアランダは途中交代」
「パンディアーニは偉大やな」
「アランダは持久力ないでな」
「何度も筋繊維を切ってるしな」
「怪我さえなければ、相当な名選手であるのが非常に惜しい」
「何にせよカマーチョの性格とオサスナの熱さというのは相性が良いような気がするので、アランダが一年無事なら良い成績を収めるのではないか」
「とまあ、そんなこんなを思いつつ」
「今回はこの辺で」
「また次回」
「ご機嫌よう」
おまけ:
様々な試合の先発
対ルビン・カザン、ホーム
対ルビン・カザン、アウェー
対マジョルカ
対オサスナ