弧の出来方
前回まで着地では弧が基本であることを見た。
ここでは弧がどのようにできるかを見る。
最終的に弧ができるまでの動きは、例えば次のようである。
これを3つに分ける。
まず片足が確実に地面についているものを取り出す。
これは地面からの力を受けて動く過程と言える。
次に両足が空中にあるものを取り出す。
これは地面からの力を受けずに動く過程と言える。
その間にあるものを中間状態とする。
並べると次のようである。
地面
中間
空中
片足が地面についた状態から、中間状態までの動きは次のようである。
前方に体を伸ばしつつ、左足を前に出している。
ここでは左足の横方向への移動はほぼ見られない。
中間状態後の動きは次のようである。
左足が体の内側へと移動し弧が形成される。
中間状態の前と後で主要な動作が異なっている。
前半は前方に体を伸ばしつつ、左足を前に出すことが主要な動作である。
後半は左足をイン側に動かし、弧を作ることが主要な動作である。
中間状態の前後で主要な動作が異なり、その意味において動きが分割されている。
弧は分割の後半、中間状態の後に形成される。
中間状態の後、両足は地面から完全に離れている。
弧は体が空中にある状態で形成される。
これは弧が体内部の力を用いて形成されることを意味する。
体内部の力とは選手自身の筋肉よって発生する力を指す。
空中で体に作用する力は重力、大気からの力、体内部で発生する力である。
このうち重力と大気からの力に、大きな弧を発生させる能力はない。
それがあるのは体内部で発生する力のみである。
例えばジャンプして体内部の筋肉を引っ張れば、手足などの相対位置を変えることができる。
空中においては、それに類する力のみが体内部に弧を発生させうる。
上の動作の特徴は次のようにまとめられる。
まず中間状態の前後で動きが分割される。
前半
中間
後半
前半部分では前方に加速し左足を前に出す。
これは地面からの力、体内部の力、両方を用いて行われる。
後半部分では左足を内に入れ弧を形成する。
これは体内部の力を用いて行われる。
動きの分割と体内部の力を用いた弧の形成。
これが上の動作の特徴である。
次に別の例を見る。
これも動きが分割される。
地面
中間
空中
地面からの力を受ける部分では、前に加速しながら右足を前に出すことが主要な動作である。
地面からの力を受けない状態では、右足を内側に入れ弧を作ることが主要な動作である。
動きが分割されており、体内部の力で弧が形成される。
前のものと比べると次のようである。
さらに別の例を見る。
これも動きが分割される。
地面
中間
空中
動きが分割されており、体内部の力で弧が形成される。
最初のものと比べると次のようである。
比較のため動きが分割されない例を見る。
地面と空中、その間に分ければ次のようである。
地面
中間
空中
前半部分において左足はイン側に向かって動く。
後半部分においても左足はイン側に向かって動く。
中間状態の前も後も左足は内側に向かって動いている。
中間状態の前後で同じ動きが見られ、その意味で動きは分割されていない。
また踏み切りの後、体内部の力を用いて姿勢を大きく変える様子は見られない。
その意味においても、動きは分割されていない。
分割されるものとの比較は次のようである。
2つは本質的に異なる動作である。
以上では足を体の内側に動かす例を見た。
外側に動かす例を見る。
分割は次のようである。
地面
中間
空中
前半では地面からの力を用いて上に向かって踏み切る。
後半では体内部の力を用いて弧が形成される。
動きが分割されており、体内部の力で弧が形成される。
動きの分割、体内部の力を用いた弧の形成という点で、最初に見たものと一致している。
次も体の外側に足を動かす例である。
分割は次のようである。
地面
中間
空中
地面からの力を受ける部分では、前に加速し左足を前に出すことが主要な動作である。
地面からの力を受けない状態では、左足を外に動かし弧を作ることが主要な動作である。
動きが分割されており、体内部の力で弧が形成される。
最初のものと比べると次のようである。
次も同様である。
分割は次のようである。
地面
中間
空中
地面からの力を受ける部分では、前に動きながら右足を前に出すことが主要な動作である。
地面からの力を受けない状態では、右足を外に動かし、弧を作ることが主要な動作である。
動きが分割されており、体内部の力で弧が形成される。
最初のものと比べると次のようである。
ここまで見たように弧は、分割された動作において空中で体内部の力を用いて作られる。
次にこれらの動作の特徴を見る。
【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら。