コーナーキックを好きになろう!クローズ編 ゾーンと設計の巻
「さて」
「遂にクローズ編がやってきた」
「クローズというのは、ゴールに向むかって曲がるコーナーキックのことであるな」
「現在最も多用されているパターンではある」
「2006-2007シーズンの後半にゴールが決まった数を見ても、26で一番多い」
「ちなみにオープンが16ゴール、ショートコーナーが6ゴールやな」
「それだけ重要やということやな」
「数で言うとそうやな」
「とりあえずこれまでと同じようにコーナーキックの後、最初のタッチでゴールが決まるものを見てみる」
「それをシュートを打つ選手の前に、何人選手が入るかで分類するわけやな」
「最初のタッチで決まるものが15本で、分類するとこうなる」
「1人と2人の時が同じように多いわけか」
「そこで前に入る選手が1人と2人の場合について、まとめて図を作ってみる」
「作り方はオープン編と一緒やな」
「すると下のようになる」
「ゾーンだけ抜き出すとこうやな」
「ゾーンがわかったところで次は設計やな」
「最初の配置をどうするかが問題やな」
「とりあえずこんな形でどうだ」
「これはどうやって生まれた配置かね」
「まず囮になる選手がいるべき緑のゾーンは狭いので、その真ん中に1人置く」
「ふむ」
「そして赤いゾーンの中心に選手を置く」
「ふむ」
「しかる後にシュートを打つ選手が最初にいるゾーンを、2つに分けるような直線を引いて大体均等に選手を並べる」
「それはどういう意図や」
「実際のコーナーキックでも縦に並ぶパターンというのはよく使われるから、それのパクリやな」
「パクリか」
「そこから動きを考えていくわけだが、一つ困ったことがある」
「なんや」
「シュートを打つ選手の前に1人か2人の囮を入れなければいけないのだが、この状態では囮がいるべきゾーンに1人しかいない」
「そうやな」
「それでは上手くないので、直線上にいた選手を1人緑のゾーンに近づけると下のようになる」
「それが最初に見た配置なわけか」
「そういうことやな」
「データから出たゾーンの中心を重視して、そこから設計したということかね」
「そうやな」
「まあええか」
「次にここから動かすことを考える」
「最初は単純に前に走るパターンなんかどうや」
「ええな」
「何事も安直であることは大切やからな」
「この状態で赤に合わせれば囮が2枚になるし、水色なら1枚、緑なら0枚になるな」
「同じ動きから、ボールの合わせる位置を変えるパターンやな」
「そういうことやな」
「ほんならその裏のプレーとしてこういうのはどうや」
「赤と水色でディフェンスを押し下げて、その裏で紫が叩くわけか」
「さらにクローズで特徴的な選手が、引く動きを組み合わせると次のような手も考えられる」
「オレンジが引くのはええとして、えらく遠くから引いてくるんやな」
「蹴られてから動くのでは間に合わないから、キッカーの助走前に動きを開始する必要があるな」
「ついでにそこから思いっきり飛ばせば、次のような狙いもあるな」
「ファーまで飛ばすパターンやな」
「おまけに回り込みを使えば、次のようなプレーも可能だ」
「ワンタッチで決めるものとしては、こんなもんかね」
「次にツータッチで決まるものを見ていきたいわけだが」
「実はクローズでツータッチというパターンには、色々と複雑な事情がありましてですね」
「別に複雑でも何でもないと思うけどな」
「何にしてもその辺りはまた次回というところで」
「今回はこれにて」