2008/06/13 ユーロ2008 Group League

イタリア 1-1 ルーマニア

監督 ビクトル・ピツルカ
フォーメーション 1-4-1-4-1


「イタリアとルーマニアは引き分け」

「イタリアは厳しい状況になった」

「まあ負けなくて良かったという試合ではあった」

「ブッフォンが絶体絶命のPKを止めた」

「逆にムトゥのPKを止められたルーマニアは、予選突破の確率を飛躍的に高めるチャンスを逃した」

「先発はこうやな」

「ルーマニアは右の二人が最初の試合と違うものの、方針としては同じ」

「コチシュに代わって先発したコドレアは良い選手やな」

「相手を引きつけてプレーできる点がええな」

「対するイタリアはまるで別のチームやな」

「形としては1-4-3-2-1でデロッシが中央、ピルロがその右。ペロッタは二人より左のやや高い位置にいる」

「カモラネーシとデル・ピエロではカモラネーシの方がサイドに開き、デル・ピエーロは左にはいるものの、より中央でトップ下からフォワードとして動く」

「前の試合から選手が5人変わり、中盤は丸ごと配置を変えて前線も姿を変えている」

「なかなか思い切った手やな」

「はたしてこれがどうなのか、という議論は後でするとしてや」

「25分にルーマニアの中盤の底にいたラドイが負傷退場する」

「ジカが入ってこうなる」

「ラドイはセンターバックと中盤へのカバーを担う大切な選手であったわけだが、前方の組み合わせから言うとこちらの方が良い可能性もある」

「キヴより動けるジカが入る方が、左を支えやすい」

「ムトゥが相変わらず行きっぱなしになるからな」

第一戦でルーマニアは1-4-1-4-1のはずなのに、ムトゥが勝手に上がって中に入るから変な形に見えるという話があったわけだが」

「この試合でもそれは続いた」

「ルーマニアの中盤でのマークの関係を見ると、ジカがピルロを見てコドレアがペロッタを見ることになっている」

「ここでザンブロッタが上がってきたら、誰がマークをするのでしょうかというと」

「ムトゥがやらねばしょうがない」

「ところが下がらない」

「下がる気もない」

「ザンブロッタがおとなしいならそれでいいが、前に出てくると困ったことになる」

「イタリアが右を攻めると下のような動きになる」

「カモラネーシが右サイドに出てピルロがフォロー。デル・ピエーロがニアに入りトニがファーに逃げる。その裏からペロッタが突っ込んでくる」

「デル・ピエロがニア、トニがファーという動きはクロスを上げるサイドが逆になっても変わらない」

「結果、下のような配置になる」

「ラツがカモラネーシとザンブロッタの二人を見るはめになり、ドフリーで中央へ蹴られる」

「それをトニがファーから落として、デル・ピエロやペロッタに渡す」

「典型的にはそのような流れになる」

「そしてルーマニアは、この状態で何度も何度もピンチを迎えた」

「その原因はというと」

「上の図で赤丸で囲まれたムトゥ以外にない」

「何で中央に残っているのか意味不明やな」

「ボールを追いかけたくないから、言い訳のためにわざと中央に入るんやな」

「1-4-4-1-1で下のようにディフェンスするなら、その位置でええねんけどな」

「ところがルーマニアはそうではない。そうではないにもかかわらず左を空けて、同じ形から何度もやられるというのは理屈に合わない」

「この状態が続くということは監督の頭がおかしいか、ムトゥの動きがおかしいかどっちかやな」

「当然おかしいのはムトゥの動きで、後半開始から下のようになる」

「ちゃんとサイドに下がったわけであるな」

「ちゃんと下がった」

「良かったな」

「これを確認するには10分で十分で、前半最後の5分と後半開始5分を見比べていただければほとんど自明にわかるかと」

「サイドにいる時に、ちらっちらっといつもザンブロッタの位置を確認するようになっている」

「それにしてもムトゥは本当にディフェンスに向かない」

「普段は相手の位置を確認しているのに、ボールが近くに来るとそれに注意がいって簡単に裏を取られる」

「中央に絞ってピルロを守備した後、ボールがサイドに流れてももう一度追わない」

「左サイドバックのラツが中央に絞って守備をしているのに、”おーい、ザンブロッタがいったぞ。マーク頼むぞ”と声をかけて立ち止まる」

「そこは君が追わなあかんてといった状況でも、ラツに声だけかけて放してしまうのはディフェンスとしては迷惑至極やな」

「何か微笑ましい姿ではあるけどな」

「何にしても困ったもんや」

「攻撃向きの選手にありがちな現象ではある」

「リーガでも守備を一番理解していない選手はロナウジーニョやしな」

「攻撃というのは、”何でお前がそこにおるねん”とか”何でそこにパスがでるねん”といったことが必要で、守備でそれが出ると困る」

「何でお前がそこにいるんだとか、何でそこを通されるんだ、といったことが起こると守備は一瞬で崩壊する」

「グティが守備に全く向かないのも同様のことやな」

「デポルティーボ戦(※リンク切れ)で、そんな場面がはっきりでてたな」

「しかしムトゥが前半のように動くと、いくら他が頑張っても側面に穴の空いた容器のようなもんで、水漏れが止まらんから、いっそのこと切ってしまった方が良くないかね」

「そうはいってもルーマニアが良い攻撃をするときは、どこかでムトゥがからんでいるからそうもいかない」

「マイナスを越えるプラスがあればええねんけどな」

「まあしゃあないで」

「監督は苦労してるやろうな」

「それにこの試合で先制点を決めたのも彼やしな」

「ザンブロッタのキーパーへのバックパスをさらってゴール」

「イタリアは追う立場になった」

「そうなると交代が注目される」

「結果はこう」

「先発の変更と合わせてこれもどうなんやろな」

「その点については、オランダ対フランスの交代と合わせて考えると良いと思うんやな」

「そうなんか」

「オランダ対フランスはこちら

「またそちらで」

「ごきげんよう」


【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら

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