2008/11/02 リーガ・エスパニョーラ 9節
アルメリア 1-1 レアル・マドリー
監督 ゴンサロ・アルコナーダ
フォーメーション 1-4-4-1-1
「さてさて」
「マドリーは引き分け」
「これはいわゆるチャンピオンズリーグ病やな」
「何だそれは」
「チャンピオンズリーグの試合がある前の節に、気もそぞろになって不始末な試合をやらかすという例の病気や」
「確かにマドリーは欧州で優勝すれば、後はどんな成績でも許されるところはあるけどな」
「ちなみにチャンピオンズの次のリーガで、不始末をやらかすことを特にCL後遺症と呼ぶ」
「さらに加えると、ワールドカップ予選などで選手が疲弊したり怪我をしたりすることを、ビールス・フィーファと呼んだりもする」
「サッカー界にも色々と病気があるもんやな」
「しかし普通、ヨーロッパ病が出るのは12月とか2月とか、もっと押し詰まってからではないかね」
「ちょっと発症が早いかもわからん」
「先発はこう」
「アルメリアの布陣は1-4-4-1-1で、トップ下にあたるコロナはガゴのマークにほぼ専念する」
「守備を第一に考えた布陣やな」
「ところがマドリーが先制」
「アルメリアとしては、このまま負けるわけにもいかない」
「前半は0-1で終わり」
「後半、下の布陣に変化する」
46分:コロナ → カルー・ウチェ、フアンマ・オルティス → クルトゥワ
「システムも両翼を上げた1-4-2-3-1になる」
「勝負手やな」
「そしてこの変更はどうだったかというと」
「アルメリアは格段に良くなった」
「最近のマドリーの特徴で、引いた相手よりも出てくる相手に苦労する」
「サイドバックの前のスペースをはじめ中盤にスペースが多く、中位のチームにも出てこられると相当に攻められる」
「この試合では左サイドのクロスを頭で叩かれて同点」
「カシージャスはベストの反応を見せたが、手を上げる前にボールが通過してしまった」
「ちなみにこの試合のカシージャスはシュートに対して重心を落とす、いわゆる沈み込みのタイミングが抜群なのでビデオをお持ちの方はご覧いただければと」
「そんなこんなでマドリーは相変わらずだが」
「バルサはずいぶんと調子が良い」
「マラガとの試合、先発はこう」
「最近のセルヒオ・ブスケツは、中盤の底ではなく一つ前で使われることが多い」
「実に大きく動くいて良いのだが、瞬発力に欠ける点は否めない」
「ちなみに彼は代表を狙っている」
「そうなんかね」
「この前、デル・ボスケが見に来た試合があったが明らかに気合の入りようが違っていて、あれはどう見ても代表入りのためのアピールやで」
「普段からその気合でやるべきだという意見もあるけどな」
「野望が大きいのは良いことやろ」
「まあな」
「それはさて置き、この試合の特徴は何といってもピッチコンディションだった」
「とにかく水が浮きまくっていて開催すら危ぶまれた」
「それをマラガが頼み込む形でキックオフ」
「実はピッチコンディションが悪ければ悪いほど、バルサにとっては不利になる」
「理屈はユーロ2008のスイス対トルコ戦と同じやな」
「細かくつなごうとするチームほど不利を受ける」
「この日は特に下の部分の状態が悪かった」
「メシが中に切れ込むとボールが止まり、下がったイニエスタがドリブルで前に運ぼうとすると、べしゃっという具合でボールを追い越してしまう」
「特にイニエスタは、自分のやりたいことができず苦しんでいた」
「ピッチ的に無理でも、普段のプレーをやってしまうのはいたしかたないところかね」
「グァルディオラは途中”前に長く蹴れ”というゼスチャを盛んに見せ、修整に必死だった」
「そんな試合も終わって見れば1-4でバルサの勝ち」
「マラガは一度は同点に追いついたものの、力尽きた格好になった」
「バルサにとって、不利なピッチで勝った意味は非常に大きい」
「というところで」
「また次回」
「お会いしましょう」
「っておい」
「なんや」
「えらい短くないか」
「そんな気もするな」
「気のせいじゃないやろ」
「実はシャビの組み立てについて調べてたんやけどな」
「それまた、なんでや」
「質問をいただいたのに、ちゃんとした答えが出せなかったからなんやけどな」
「ほほう」
「そこで一つ面白いことに気がついたので、個人技編としてまとめて見ましたので」
「こちらからご覧いただければと」
「題して”両足飛びは技術か?イブラヒモビッチとシャビ”」
「というわけで」
「また次回」