2008/04/12 リーガ・エスパニョーラ 32節

レクレアティーボ 2-2 バルセロナ

監督 フランク・ライカールト
フォーメーション 1-4-1-2-3


「バルセロナは、レクレと引き分けた」

「絶望的やな」

「何が」

「マドリーにまた2ポイント差をつけられて残り6試合で9ポイント差。ほぼ絶望的な数字になっている」

「そっちか」

「他に何がある」

「プレー内容のことかと思ったんやけどな」

「内容的には今後に向けて転換点になりそうな試合やったから、絶望的ではないと思うで」

「さよか」

「まずは先発やな」

「この図からバルセロナだけを抜き出して上下を逆にすると、次のようになる」

「まあいつものバルサというか何というか」

「メシ、アンリ、イニエスタがいない時の形やな」

「その代わりにジオバンニ、エスケーロ、グジョンセンが入っている」

「ところが65分に交代が行われて下の形になる」

「ほう」

「これはこれは」

「ついにトゥレが前に出たのか」

「これはバルサのバランスを回復させるのはこれしかないから、4ヶ月前(※リンク切れ)から見てみたいと思っていた布陣なわけや」

「まあトゥレは技術的にも性格的にも前の方が向いてるしな」

「その結果は上々だった」

「上々だったといっても、この交代の後に同点に追いつかれたわけだが」

「あれはハイボールに対する目測を誤ったバルデスの個人的なミスで、中盤のバランスとしては明らかに良くなっていた」

「そうかね」

「トゥレがこのポジションに入ると、特に攻めた後の守備が格段に安定する」

「まあボールに体を寄せていけるからカウンターの出所を潰す能力は高いな」

「おまけにハイボールに対しても抜群に強いから、これまでバルサが苦手としていたロングボールによる飛ばし攻めにも強くなる」

「グジョンセンやイニエスタ、シャビよりも強いのは間違いないわな」

「この形からアンリが帰ってきたとなると次のようになる可能性が高い」

「順当な配置やな」

「ところが、このままでは、下の場所に問題が出る」

「守備か攻撃かで言えば、攻撃に問題が出るな」

「いわゆる組み立てに難がある」

「その辺を思い切れば次の形がええかね」

「これはまた思いっきりやな」

「とにかくボールをさばけたらええという配置や」

「他のバランスは考えへんのかいな」

「3トップ系のシステムというのは両ウィングに良い形でボールを渡さないと意味がないから、その意味ではこれが最高やな」

「矛盾はないといえばないけどな」

「もう一つの形としては下の図も考えられる」

「イニエスタを左、トゥレを右に置くのか」

「この時の攻め筋は次のようになる」

「左からか」

「左のアンリを引き金にする場合、マルケス、エジミウソンでそこにボールを送りドリブルを開始、エリアの角辺りで仕掛けて縦に出た場合はエトー、メシ、トゥレがつめる。

 中に切り返したらシュートもしくはイニエスタに渡して斜め奥にパス」

「パターンやな」

「良いパターンをいかに多く出すかというのは大切やからな」

「右から行くとしたら下の感じか」

「ガビ・ミリートとマルケスがメシに送って中へドリブル。スルーパスにエトー、逆サイドへのパスをアンリ、後ろに戻してトゥレやな」

「それにワンツーを加えたり色々やな」

「これはこれでメシを十分に活用できる」

「この試合ではその点がいまいちやったしな」

「トゥレがエトーの後ろに入ってたな」

「普通のチームなら、サイドに開いて空いた中央に後ろから入るというのは非常にいいプレーなのだが、バルサの場合は違う」

「それをやってしまうとメシがドリブルで入るスペースを味方が潰してしまうんやな」

「彼の一番得意なプレーを自分たちで消してしまってはつまらない」

「守備では下の形がええな」

「メシはなるべく下げずに左サイドを下げた方が良い」

「メシは前に残ってこそ価値がある」

「ただそれをやるとアンリの体力が持たないことは証明されている」

「3節(※リンク切れ)がそうやな」

「そうなるとエトーに頼るしかない」

「左サイドを交代しつつ試合を進めるわけやな」

「これはロナウジーニョが左にいた時代もよく行っていた」

「負けたくない試合では先発からこうなることも多かった」

「ただここで問題になるのは、左サイドを下げて守るなら下の形の方が良さそうなことやな」

「シャビを右にしてトゥレをマルケスの左に引くのか」

「この方が明らかに中央が固い」

「となるとこの形か」

「中盤をシャビ+トゥレで組むか、トゥレ+イニエスタで組んだ方が良いかは実際にやってみないとわからない」

「理屈はあくまでも理屈やからな」

「ただ理屈は大切で、これまでのバルサは理屈的にもダメでやっぱりダメだった」

「マドリーもそうやな」

「何にしても、チャンピオンズリーグの4強に残ったことが奇跡というか、驚愕すべき事実に近いバルセロナにとってこれから先に進むには、トゥレを上げるしかないやろな」

「今までの方法では、いつまでたっても前後がバラバラやしな」

「上の形をベースにして調整していくしかないと思うんやけどな」

「はたして今後どうなっていくのか」

「注目というところで」

「また次回」

「ご機嫌よう」


注:図中のD.ミリートはG.ミリートの誤りです。お詫びして訂正いたします。


【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら

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