2008/03/09 リーガ・エスパニョーラ 27節
バルセロナ 1-2 ビジャレアル
監督 フランク・ライカールト
フォーメーション 1-4-1-2-3
「バルサはまたも負けてしまった」
「そのようやな」
「さらに試合の中で、非常に不思議な行動を取っていた」
「そうなんかね」
「今回はその辺りに注目してみたいわけなんやけどな」
「さよか」
「先発は下の感じだったわけだが」
「バルサは不思議な形をしておるな」
「それには理由があって、まず下の写真を眺めていただきたいわけだ」
「ふむ」
「まず一番上の写真からして不気味やろ」
「バルサは右に攻めてるわけやろ」
「そうや」
「抜群に攻撃的な体勢やな」
「攻撃的な体勢も何もあなた」
「敵のペナルティエリアまで20m弱で、その間に9人の選手がいるわけか」
「それを数えたのが2枚目の写真やな」
「9人といえば、後ろにはディフェンダーが1人とゴールキーパーしかいない勘定になるな」
「すごいやろ」
「バルサは4バックだから、残り3人のディフェンスは前にあがっているということか」
「それが3枚目の写真や」
「アビダルとザンブロッタの位置が抜群やな」
「ちょっとびっくりする場所にいるやろ」
「でもまあ、最近はバルサがどんなにすごい作戦を考えても驚きはせんけどな」
「驚きはせんけどびっくりはするやろ」
「どんな話や」
「何でもええわ」
「そうか」
「とにかく上のように人をやたら前に出すというのは、あまり一般的ではない」
「前の写真は、ほんの一瞬、偶然に上がった人が沢山いただけではないんか」
「ところがそうではない、というのは守備を見ればわかる」
「守備か」
「人をどんどん上げれば当然守りは手薄になる」
「選手数保存の法則というやつやな」
「それが下の写真に見える」
「これもまたすごいな」
「まず上の写真では、センターバック二人で構成される最終ラインが相手陣に6m入った場所にある」
「ラインを押し上げた攻撃的なディフェンスやな」
「おまけにサイドバックは2人ともいない」
「確かサッカーでは自陣から抜け出した場合は、オフサイドにならへんよな」
「当たり前や」
「いや、ちょっと不安になったから聞いただけや」
「次に二枚目の写真では、やはりサイドバックがどこかに飛んでいった関係で、サイドに大きなスペースが空いている」
「去年のクラシコを思い出すな」
「結局、二枚目の写真の後、下の流れで得点を決められてしまう」
「ビジャレアルの側から見ると、非常に美しいゴールであるな」
「ゴールじゃなくてPKやけどな」
「それにしても、バルセロナも再び意味のわからんことを始めてきたな」
「去年終盤の怪奇サッカー復活のきざしやな」
「スペインリーグ全体のレベルが低下している中で、期待の星であるバルサがまた戦術的に自滅していくとしたら、つらくて見てられんのやけどな」
「ロナウジーニョを出した上に、サイドバックを無闇に上げるとチームが潰れる、というのは昨シーズンを通して散々繰り返していた」
「今シーズンの安定していた頃のバルサを見ると、ロナウジーニョを切って1-4-1-4-1気味に組み、耐えながら一瞬のチャンスをものにする戦いをしていた」
「地味やけど、それで十分強いんやけどな」
「変なけれん味を出さんでもいいと思わんかね」
「そればっかりは作戦を決める人の性格次第やしな」
「はたして今後どうなっていくのかというところで」
「また次回」
「ご機嫌よう」
参考資料:ギジェ・フランコの切り返し