2009/05/06 UEFAチャンピオンズリーグ 準決勝2nd Legion (1)
チェルシー 1-1 バルセロナ
監督 フース・ヒディンク
フォーメーション 1-4-2-3-1
「さて」
「注目の第2戦は1対1の引き分け」
「アウェーゴールの差でバルサが決勝進出」
「実にめでたい」
「めでたいのかね?」
「めでたくないのかね?」
「今回はその辺りを見ていこうかと」
「うむ」
「まず先発はこう」
「ふむ」
「中々興味深い」
「チェルシーは右にアネルカとボジングワ」
「バルサの特徴は下のようになる」
「エトーが左でメシが中」
「トゥレが下がって中盤の底にブスケツ」
「何だか意味深な感じがする」
「エトーが左というのは、受けを考えた配置と見ていい」
「右サイドを押さえたい時によくこれを使う」
「ところが後ろはトゥレをわざわざセンターバックにして、中盤にブスケツを入れている」
「これだと守備的に薄くなる」
「その一つの理由が下に見られる」
「下の図では左に動くボールを、青いドログバと黄色いブスケツが追う」
「ブスケツは素直にボールを追うのに対し、ドログバは体を当てに行く」
「その結果はというと」
「ドログバの1人勝ち」
「トゥレとブスケツの一つの差は体を当てることに対する強さで、守備ラインの前をカバーする選手にはこの要素が必須になる」
「マウロ・シウバ、マケレレ、ガットゥーゾなどなどやな」
「マウロとか聞くとマジーニョを思い出すな」
「古きよきガリシアかね」
「それはともかく試合開始時点でのバルサは前は受けを考え、後ろは攻めを考えたような布陣になっている」
「前回バルサは引いて守るべきであり、それ以外は勝つ確率を減らすだけだという話が出た」
「少なくとも使った選手を見ると、引いて守る配置ではない」
「サイドは守るもののやはり、フットボール美学とやらを追求して後方からきちんと組み立てて攻めるつもりの配置に見える」
「では、はたして本当に攻めることができたのか」
「その辺りが問題になる」
「まずボールポゼッションは大体、バルサが2/3、チェルシーが1/3で推移した」
「バルサは良い数字やな」
「次にボールを保持した後、どのようなチャンスを迎えたかを見る」
「4分5秒、メシが下の形でボールを持つ」
「これはナイスなチャンスやな」
「ただしメシがトップの関係で中央に誰もいない」
「この後、メシのドリブルはバラックに防がれる」
「7分2秒、逆サイドから長いボールにアウベスが飛び込む」
「ボレーで合わせたボールは逆サイドに抜けて終わる」
「この後、9分にエシエンのボレーが決まってチェルシーがリード」
「28分53秒、メシのドリブルからサイドのイニエスタのシュート」
「枠を外れる」
「36分1秒、アウベスがエトーに入れる」
「戻してシャビ」
「サイドに展開して、メシ」
「クロスは直接キーパーへ」
「これはおそらく前半最高の形だった」
「アウト・イン・アウトの典型やな」
「37分17秒、メシがサイドを突破する」
「そこからクロス」
「キーパーに直接渡る」
「良い崩しだったが中には合わなかった」
「ちなみにこれまでのプレーから、リードされた後バルサは前線を右からメシ、エトー、イニエスタに変化させたことがうかがわれる」
「40分44秒、メシがボールを持つ」
「良い形だったがクロスはタッチラインを割る」
「44分43秒、シャビが中に入るイニエスタにパス」
「フリーで受け」
「前を向く」
「これも非常に良い形であるな」
「最終的にはシャビが浮き球でラインの裏を狙いカットされる」
「前半ロスタイム2分56秒、ショートコーナーからシャビのミドル」
「相手にブロックされ、その跳ね返りを叩くも枠をそれる」
「前半のバルサのチャンスは以上」
「以上かね」
「以上や」
「エリア内からフリーでシュートを打つとか、ラインの裏に抜けた選手がキーパーより先にボールを触るとか、そんなチャンスはないわけやな」
「ない」
「そうか」
「ついでにフォワードがセンターバックの間、ドフリーでボールを持つといったシーンもない」
「これはドログバのコントロールミスで終わったやつやな」
「ちなみにバルサはエリア内でボールを持つこともあったが、周囲に必ず2~3人の守備者がいた」
「前半攻めることができなかったバルサ、はたして後半どうなるのか」
「続きは」