2008/04/22 UEFAチャンピオンズリーグ 準決勝1st Legion
リバプール 1-1 チェルシー
監督 アヴラム・グラント
フォーメーション 1-4-3-3
「さて」
「プレミア対決の第一ラウンドは引き分けに終わった」
「引き分けということは、アウェーゴールを決めたチェルシーが有利やな」
「そうやな」
「ちなみにそのゴールが決まったのは94分」
「何ともドラマティックやったな」
「おまけにオウンゴール」
「リーセが自分のゴールに完璧なヘディングシュートを決めた」
「ショックやったやろな」
「そらそうやで」
「チャンピオンズリーグの準決勝やしな」
「ところで、この得点に関しては二つ派閥があるように思われる」
「二つとはなんや」
「オウンゴールに対して”あれはしょうがない”と思う派閥と”、足ならクリアできた”と思う派閥の二つやな」
「しょうがない派と足で行け派か」
「はたしてそのどちらが正しいのか、決着をつけてみようというのが今回の狙いやんやな」
「そうなんか」
「まずは下の写真から見ていこうかと思う」
「もとの絵はエル・ムンド紙からやな」
「そうやな」
「これはリーセがヘディングのモーションに入った瞬間か」
「そしてヘディングの瞬間は次のようになる」
「ふむ」
「上の二つの写真でカメラ位置は全く変わっていないから、大体のボール軌道がわかる」
「ゴールに近づくボールなわけやな」
「逆にいえばリーセからは離れていく」
「こういう状況でのクリアは難しい」
「ボールを追いかける状況では、そもそも足に当てるのも難しくなるしな」
「ブロック崩しと同じ原理やな」
「下手な人はボールを後ろから追いかけることが多く、上手い人ほどボールに向かって板を動かすからな」
「ゲーセンにあるエア・ホッケーでも同じことやな」
「ついでに言うと、この状況ではリーセが触る前にボールはワンバウンドしていてたのでクリアはさらに難しい」
「まあそうやな」
「実に厳しいシチュエーションなわけや」
「確かにディフェンスにとって厳しい状況ではあるが、なぜ足ではなく頭で行ったのかという疑問は残るやろ」
「それはこういうことやな」
「足か」
「足やな」
「これだと右足を出すのは無理やな」
「この状態から右足を出しても軌道に届かない。かといって右足を地面に着いてしまうと、次には左足しか出せない」
「左足でのクリアは厳しいな」
「届くのは届くだろうけど、クリアボールの方向と強さをコントロールするのは難しい」
「これを右足でクリアしようと思うと、足を一回変えないとあかんな」
「するとボールはもう目の前を通り過ぎてしまう」
「下の感じか」
「そうなると後ろのアネルカに叩かれて終わる」
「つまりリーセは頭で行くしかなかったと」
「まあそういうことになる」
「しかしや」
「なんや」
「それなら走り込む前の段階で、右足でクリアできるように足を整えておけばよかったという話にならんかね」
「それは無理やろ」
「まあな」
「クロスに対して動き出す前はアネルカをマークしなければならないから、動きはアネルカに対して良いポジションを取ることで決まる。そこでクロスのコースを完璧にイメージして、足の動きまで調整できるとしたらそれはすごいで」
「不可能かね」
「不可能ではないかもしれんが、神様にしかできんのとちゃうかね」
「つまり結論は頭でいくしかないと」
「少なくとも右足でのクリアは不可能やな」
「それにしても、これでチェルシーは大分有利になったな」
「後はホームで守り倒しても大丈夫やからな」
「はたして結果はどうなるか」
「お楽しみというところで」
「また次回」
「ご機嫌よう」
おまけ:先発