2009/01/18 リーガ・エスパニョーラ 19節
アルメリア 1-1 アトレチコ
監督 ハビエル・アギーレ
フォーメーション 1-4-4-2
「さて」
「アルメリア対アトレチコは引き分け」
「アトレチコはどうも調子が上がらない」
「苦労している部分は、去年までと変わらんのやけどな」
「先発はこう」
「アトレチコの特徴はフォワードがロングボール、ハイボールに弱いことがある」
「ただし地上からボールが来ればサイドのシモン、シマナを含めて非常に上手い」
「だからアトレチコの課題は、その4人にいかによい形でボールを渡すかにあるわけだが」
「赤で囲まれた選手達が、非常な難点になる」
「下手というか何というか」
「パブロとアスンソンの組み立ては論外として、問題はバネガやな」
「ラウール・ガルシア、マニシェ、アスンソンと比べて、組み立ては彼が一番上手い」
「組み立ての上手、下手についてはこちらをご覧頂くことにして」
「ただ、いいパスもあるがミスも非常に多い」
「そのプラスとマイナスを考えると、どうにも微妙な存在やな」
「ここで彼を使うなら、ここをもっと真面目に補強しておけばええと思わんか」
「どういうことや」
「要するにバネガの使われ方は、去年までのフラドと一緒や」
「サイドかトップ下で使われつつ組み立てがピンチになると、いわゆるテクニシャンが中央に配置されるパターンやな」
「それで去年までは、その後ろの選手としてクレベル・サンタナがいて、それをアスンソンに変えている」
「そうやな」
「クレベル・サンタナの問題が組み立てにあったのは明らかなのに、同様かそれ以上に下手なアスンソンを買うというのは理由がわからない」
「肉体的な能力は抜群やけどな」
「おまけにアギーレは、前からボールを追い込むのが好きやろ」
「確かに」
「前線から走って走ってボールを不安定化させて、遂に奪い取る」
「ふむ」
「ところが、その奪ったところがアスンソンかパブロだとその直後にボールがなくなる」
「つらいわな」
「結果を見ると単なる走り損の体力損になってしまう」
「そう言えなくもない」
「後ろにウィファルシが入った分、去年までよりは良いが、前の強さを今ひとつ生かしきれない構成は相変わらずで頭が痛い」
「その点、アルメリアは楽でええな」
「まず中盤の中央での組み立が良い」
「ソリアーノもいいし、イリネイを使っている辺りがええな」
「パスをつながせたら大したもんやしな」
「以前、ラージョ・バジェカーノで活躍していたので、ご存知の方も多いかと」
「まあ、チームと一緒にセグンダBにまで落ちてしまったんやけどな」
「しかし不思議やな」
「何が」
「イリネイの能力なら他のチームからいくらでもオファーがあると思うんやけど、何でセグンダBでプレーしたんやろな」
「それは金がよかったかららしい」
「ラージョでか」
「あそこは他と比較して、十分にお金持ちらしいで」
「そうなんか」
「おまけにイリネイは運転もできないのに高級車を持っていて、駐車場内で走らせて喜んでいたらしい」
「おもろい人やな」
「さらに言うと公道での運転はできないから、普段の練習へは地下鉄を利用していたらしい」
「どこからの情報や」
「ラージョにいた人から、そんな話を聞いたことがある」
「さよか」
「それはさて置き、アルメリアの中盤はハイメ・オルティスも良く前線はさらに良い」
「ネグレドとウチェは強烈やな」
「とりあえずハイボールに非常に強い」
「これがあると後ろの組み立て能力が低くても、困ったらロングボールという必殺技が使えるので相手を押し戻しやすい」
「さらには足元にボールを受けても取られない」
「ネグレドは3人に囲まれてもつなげるし、ウチェはスルーパスまで上手い」
「その様子は、53分にペレラノが退場してから顕著になる」
53分:ペレラノ退場、57分:イリネイ → チコ
「ネグレドを1人前に残し、ウチェが中盤に下がる」
「この後、人数の少ないはずのアルメリアは、それをあまり感じさせないプレーを見せた」
「それができるためには、ワントップが活躍しなければ無理やな」
「そこにボールが入って味方に出てこないと、押されっぱなしになる」
「その点でネグレドは、相変わらずの力を見せた」
「パブロと競り合って負けず、ペレアに当たられて微動だにせず、アスンソンに体を合わされてもきちんとつなぐ」
「上の3人に負けないなら、世界中どこにいってもやっていける」
「そんなネグレドを見て思うことが一つある」
「うむ」
「マドリーはいったい何をやっているのか」
「前線でファン・ニステルローイのかわりを探すなら、ネグレドでええんちゃうんかという話やな」
「もともとマドリーの下部組織出身やしな」
「フンテラールを買った最初から、はたしてネグレドよりも優秀なのかというのが疑問だったのだが、今のところスピード以外では勝てへんで」
「まあ売る売らないのことは、時期とかタイミングが重要やしな」
「おまけにサイドで走る選手が不足していると言うなら、マタやファンフランは今どこにいるのかという話やな」
「そのファンフランは、オサスナでマドリーを相手に大活躍」
「2度、完全なPKを奪いながら、2度ともダイブと見なされた」
「おまけにそれが原因でイエロー2枚」
「もちろん退場」
「まれにみる惨劇だった」
「それはそれとして」
「試合は1-1のまま終盤を迎える」
「1人多いアトレチコはぜひ勝っておきたい」
59分:アスンソン → ラウール・ガルシア
62分:ペレア → セイタリディス
「アスンソンをラウール・ガルシアに代えたのは、より長いボールを左右に散らしたいということやけど、ペレアがセイタリディスは何でやろな」
「イエローを一枚もらっていて、さらにはクルトゥワと無闇に熱いバトルを繰り広げていたから、退場を心配して代えたと思うで」
「そうなんかね」
「それでも点は動かず76分に勝負手が出る」
76分:パブロ → ミゲル・デ・ラス・クエバス
「前線に人を増やして強引に攻めていく」
「アギーレは点が欲しいとこういう配置をよく取る」
「攻めたい時に、アスンソンとパブロを外したのは象徴的ではあるな」
「互いにチャンスがあるもゴールは生まれず」
「ウーゴ・サンチェス、ハビエル・アギーレ、メキシコ人監督同士の対決は痛み分けに終わった」
「いや、より痛いのはアトレチコの方やけどな」
「ボランチの構成を変えようとして、おかしくなりかかっているアトレチコの今後やいかに」
「監督が変わって、前に出る勢いが出たアルメリアの今後やいかに」
「そんなこんなを注目しながら」
「また次回」
「ご機嫌よう」
今回も楽しく読ませ貰いました。
日本ではバルサ・マドリ・バレンシア絡みでしかほぼTV放送がないので、
アルメリアなんかはエメリが去年までいたところ位の情報しかなくて
とても興味深かったです。
特にイリネイのラーヨ残留や車のくだり、
日本では分からない話ばかりで面白かったです。
今年なにげに調子がいいマラガやデポルなんかもいつか取り上げて下さると嬉しいです。
2009/01/22 19:43 - ゴジラ
アルメリアは、ウーゴ・サンチェスの持つ攻撃性と選手の特徴がかみあい、面白いチームになると思います。
これまで、シーズン開始から10月辺りまでは、試合分析で、なるべく多くのチームを網羅するようにしていました。
それが、今年は、マドリーとバルサに偏っています。
これは、個人技について分析する機会が増えたためです。
やはり、個人技を見るとなると、上記の2チームになってしまいます。
デポルでは、デ・グスマン、フィリペがより大きなチームからのオファーを受けると思います。
マラガは、ほとんど見る機会がなかったため、なんとも言えません。
機会があれば、ぜひ見たいと思います。
イリネイは、普段は節約するために、寮のようなピソに住み、地下鉄で通勤し、家族に仕送りをしていたそうです。
それでもやっぱり車は欲しかったのでしょうか。
面白いところです。
2009/02/03 11:48 - studio fullerene C60
【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら。