見合いの大切さ(シャビ)
「さて」
「今回はカタルーニャダービーことバルセロナ対エスパニョール」
「驚くことに、エスパニョールがカンプノウで勝ってしまった」
「別に驚かんでもええがな」
「敵地で勝ったのは27年越しの話らしいから、そら驚くで」
「わしが生まれる前の話か」
「嘘やろ」
「嘘やな」
「先発はこう」
「今回はシャビに注目していこうかと思う」
「それまた何でや」
「何でとはどういう意味や」
「取り上げるのであれば、デ・ラ・ペーニャをやるべきではないのかね」
「明らかな天才やしな」
「笑えるくらいの才能、という意味では彼が筆頭やろ」
「まあそうなんやけど、地味キャラであったシャビの良さが最近は再評価されているらしくて、その関係でシャビで行こうかと思うわけやけどな」
「地味とか言うたらあかん」
「シャビの上手さというのはどこから来るのかというのを見つつ、昔のシャビと今のシャビを比較することで、そのプレーに変化が見られるというのを言えたらいいなあというのが今回の趣旨になる」
「さよか」
「まずシャビのプレーとしては、下のような流れが良く見られる」
「これは代表戦の絵やな」
「右からボールが来てコントロールしながら前を向く」
「そこに相手の選手が詰めてくる」
「相手を向いた後、一度右側へボールを押し出す」
「ここから前にパスを出すモーションで、左足を踏み込む」
「この辺までは完全にパスを出すように見える」
「ところが、この辺りから様子が変わる」
「パスフェイクにつられた相手の両足が、完全に揃っている点に注目したい」
「アウトで切り返した後、アウトでバックパス」
「ボールは無事にプジョルに渡る」
「同じ流れは、この試合でも見られる」
「わかりにくい場合はパラパラ漫画にしていただければ、少しはましではないかと」
「以上のことから、ひとつのことがわかる」
「シャビのこのプレーでは、インサイドで前に出すパスとアウトで90度に切り返すことが完全な見合いになっている。ということやな」
「同じモーションから同時に守ることのできない2つの行動を選択することができるため、守備としては止めようがない」
「パスを切ろうと思えば止まって横に足を出さなければならないし、後ろへの切り返しを防ぐために突っ込み続ければ横を抜かれる」
「パスを短く出してそのまま自分で追いかければ、前へのドリブルにもなるしな」
「このことはシャビのキープ力の一つの源になっている」
「上手いとうことの一つの形はこれであるとも言える」
「例えばシャビは、同じモーションから2つのパスを出すことができるというのは以前に見た」
「片方を切ると、片方を止めることができない」
「ここでも見合いの概念が出てくる」
「しかしあれやな」
「なんや」
「最初の切り返しの図やけど、もうちょっとアップの画像が欲しいところやな」
「それがないのがシャビのシャビたる所以とも言える」
「地味やしか」
「ポジション的にも引いた画面で撮られることが多い場所だから、なかなか大写しにならない」
「似たようなプレーで代用するなら、下のような感じやな」
「最初のパスフェイクが弱い、軸足がケンケンしているという点が異なるが、大枠このような形で切り返してあろうと思われる」
「テレビでカメラを自分で選ぶことができたら、こういった映像はもっと簡単に手に入るのにな」
「カメラスイッチを自分でできる映像、というのは分析屋の夢やな」
「今は、同じプレーの引いた絵と近い絵を同時に手に入れることが難しい」
「リプレイが出ない限り無理やな」
「早くそういう時代がこないものかと」
「思うことしきりであります」
「はい」
「それはさて置きシャビも昔は上の場面、つまり相手が前から寄せてくる場面で失敗をしていた」
「というのが次のページの話ですので」
「よろしければどうぞ」
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