シャビの今昔


「さて」

前回はシャビのプレーで、インサイドでのパスとアウトでの切り返しが見合いになっているものを見た」

「一方を止めようと思うともう一方を止められなくなるから、相手はうかつに近寄ることができない」

「ところが昔のシャビはうかつにも近寄られることがあった」

「というのが下の図になる」

「ずいぶん前の映像で、多分、6~7年前のベティス戦だと考えられる」

「今、左下の赤っぽい選手から中央、マイナスにパスが出る」

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「これをシャビが受ける」

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「ボールをコントロールする」

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「ここで体の正面が相手を向く」

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「さらに横を向きながら」

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「パスフェイクをかけて」

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「アウトで切り返し」

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「ところが相手はそのまま寄ってきて」

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「絡みつかれる」

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「最後には体を前に入れられてしまい」

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「ファールで引き倒す」

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「これはプレーとして良くない」

「ボールをコントロールした時点では、十分に相手との距離がある」

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「今のシャビなら、まず相手に絡まれることはない」

「ボールをコントロール、ボールを横に動かして相手を向いてパスフェイク、パスフェイクからアウト切り返し、という流れは共通しているのに昔は絡まれて今は絡まれない」

「その差は何かというと」

「前への踏み込みやな」

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「これが今でしっかり体の前方に踏み込んでいる」

「ところが昔のプレーでは、それがなく横に流れている」

「わかりにくい場合は、例によってパラパラ漫画にしていただければと」

「体の正面を相手に向けてもプレーのベクトル自体が前を向かなければ、相手を止める効果は少ないということやな」

「それどころか自分の体勢を崩して、むしろ相手を呼び込むことになりかねない」

「正対してはみるけど、どうも相手に飛び込まれてボールを失ってしまう、だから恐くてできないということは往々にしてある」

「そのような場合は一度前にプレーのベクトルを向ける、すなわち前へ踏み込む、もしくはボールを軽く前に突く、という行動を取った後に技を仕掛けるとよい」

「と、そのようなことがシャビのプレーから見えますので」

「ぜひ試していただければと」

「これまでの話をまとめると下の図のようになる」

「今回のシャビのプレーにおいては、まず①のインサイドの表で出すパスが基本になる」

「この時、前へ踏み込むことが非常に重要である」

「そこからインサイドの表から裏の変換を用いることで、②方向へのパスを出すことができる」

「これは今回は出ていないが、以前の話からシャビはそれが可能であることがわかる」

「そしてそれらのパスをフェイクにして、同じ体勢から③の方向にアウトで切り返すことができる」

「切り返した後はアウトでパスを戻すか、もう一度90度方向に切り返すこともできる」

「以上の行動が見合い、つまり一つを止めると別のものが止められない構造になっているため、シャビからボールを奪うことができない」

「つまりシャビはキープ力がある」

「とまあ、そのような結論になる」

「そんなこんなで」

「今回はこの辺で」

「また次回」

「ごきげんよう」

「おまけでデ・ラ・ペーニャの天才性についての文がこちらにありますので」

「よろしければどうぞ」


【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら

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