ヌマンシア 1-0 バルセロナ
監督 ジョゼップ・グアルディオラ
フォーメーション 1-4-3-3
「うむ」
「無事に2008-2009シーズンも始まって」
「心がうきうきする昨今ではあるが」
「バルセロナはヌマンシアに負け」
「マドリーはデポルに負け」
「実に華々しい開幕戦となった」
「マドリーがリアソルでデポルに勝てないのは、恒例行事やけどな」
「今回はとりあえず、バルセロナの方から見て行こうかと思う」
「先発はこうやな」
「ヌマンシアの方は1-4-1-4-1」
「バルサの方は、まあ1-4-1-2-3と言っていい」
「ただし一般的なそれとは内容が異なる」
「その辺りを見ていくとして」
「バルサだけを取り出すとこう」
「一目でわかる弱点はこう」
「メシとアンリ、以前はロナウジーニョを使うとその後ろにスペースが残る」
「このため相手は楽にボールをキープすることができる」
「そこをふさごうと思うとボランチの脇が空く」
「おまけに右サイドバックを上げるので、センターバックは前と横にスペースを抱える」
「これらの地点を早く攻められると、バルサはアップアップになる」
「この点に関しては、2シーズン前から手を変え品を変え書かれておりますので」
「こちらの一覧(※リンク切れ)から、ここ2年のバルサに関する文章をお読みいただければ、よりよくわかるのではないかと」
「ちなみに、この試合唯一の得点は矢印の流れで決まった」
「センターサークル付近でダニエウ・アウベスがコントロールミス」
「それがプジョルの前のスペースに引いたフォワード、ブリトに渡る」
「コントロールから右サイド奥に大きく展開」
「ベルビスが受けて前にドリブル」
「逆サイドへセンタリング」
「走り込んだマリオがコントロールからシュート」
「バルデスの右上を抜けファーサイド上隅に決まった」
「これはヌマンシアとしては狙い通りやな」
「早いタイミングでアウベスの裏に出して、そこにベルビスが走り込むという筋を再三狙っていた」
「特にチョミン・ナゴレからそこへのパスは冴えていた」
「縦に出た後、逆サイドまでセンタリングを飛ばすのも、練習通りでそれが見事に決まっている」
「このような方法は2シーズン前からバルサ攻略の基本手筋で、蹴球計画でも何度も取り上げていた」
「それが今シーズンもまた見られるとは思もわなんだな」
「バルサはリードされたまま56分を迎える」
「何かせなあかんということで」
「トゥレを下げてフレブを入れる」
56分:
「ふむ」
「グァルディオラはこうするのかという感じやろ」
「メシが中に入る」
「ライカールト時代も、点が欲しくなるとロナウジーニョを同じような位置に置くことはままあった」
「そしてシャビが中盤の底とは目新しい」
「昨シーズンまではイニエスタが底で、シャビはその前に入るのが普通だった」
「グァルディオラは逆ということであるな」
「このポジションにいわゆる攻撃をオーガナイズすることのできる選手を置くことが、攻めにおいて非常に重要であるという考えであり、それに適任なのはシャビであるということやな」
「昔の自分の位置にシャビを置いたと」
「そういうことになる」
「”シャビを後継者に指名”とか見出しをつければいいのか」
「それはベタ過ぎるやろ」
「長いパスに関しては、明らかにグァルディオラの方が上手かったけどな」
「まあこの日のバルサの攻め方なら、あまり長いボールは必要ない」
「前回にあるようにスリートップ系のシステムでは、ボランチから後方よりウィングにタイミングの良いパスを当てる必要がある」
「具体的には下の形を作り出すためやな」
「バルサは右に攻めていて、ボールを持って前を向いているメシとディフェンスの間に十分な距離がある」
「ここから一気にドリブルで仕掛けてディフェンスラインを崩す」
「まあそのためにウィングは存在する」
「昔のオーフェルマルスのようなプレーやな」
「懐かしいな」
「ところが、この日のバルサは下の写真のように選手が中に中に入る」
「エリア付近は大混雑」
「図面上のウィングが中に入るとなれば、そこに長いボールを当てる必要もない」
「この試合に関しては、”サイドを使わないから中央にスペースがなくなって攻撃が詰まるんだ”という形の反省が行われるのは間違いない」
「しかしもう一つ大切なことは、縦の距離も非常に良くなかった」
「フォワードと後ろの選手の距離が近過ぎてスペースを消すわけやな」
「おまけにプレーの選択の幅も狭まる」
「あと5m後ろにいれば、ディフェンスとの距離も取れて味方が引くスペースも残るし、技も仕掛けやすい」
「この”縦の距離を適切に保つ”というのは、有効な攻撃を仕掛ける上でサイドを広く使うことと同様かそれ以上に重要なことなので、ぜひ注目していただきたいところやな」
「例えばユーロのスペイン代表は横は狭かったけれども、縦には良い距離を保っていた」
「横について言及されることは多いけれども、縦についてはまだあまり触れられることがないので、どんどん使っていくと違いが出せて良いのではないかと」
「何を流行らせようとしてんねん」
「縦の距離に注目してみると例えば、ペナルティーエリア手前10mからラインの裏にボールを落とす時ゴールエリアの縁に落とすと、ペナルティーエリアの縁から走り込んだ選手にちょうどいいというような事がわかる」
「ディフェンスラインがちょうどペナルティーエリアの線にある時の話か」
「そのようなことがわかれば、ボールを受けた時に軽く浮かせてミドルと見せかけて裏に落とすというようなアイディアが生まれまれてくるので、一層サッカーが楽しくなる」
「道を歩きながらそんな妄想をするのも面白いわけやな」
「サッカーは一面イメージとアイディアのスポーツやから、妄想力は大切になる」
「ほんまかいな」
「それはさておき試合に戻る」
「フレブ登場後も得点は動かず61分にアンリを下げてボージャン、66分にイニエスタを下げてケイタを入れる」
66分:
「これもまた物珍しい形であるな」
「まずケイタがシャビの前にいる」
「これは監督の守備より組み立てという思想をよく反映している」
「おまけにケイタが右にいる」
「彼は左利きで、これまでは左ボランチで見ることが多かった」
「はたしてどうかと思われたが」
「この試合では十分は働きをした」
「しかしながら無得点のまま試合終了」
「バルサは初黒星を飾った」
「飾るもんじゃないけどな」
「何はともあれ、下の先発では今年も前と同じ理由で駄目だろうというのは見えた」
「それではこれからどうするか」
「下の控え選手とともに考えてみましょう」
「というが次なるお題やな」
「続きは」
「こちらから」