2008/08/31 リーガ・エスパニョーラ 1節 (2)
バルセロナの先発メンバーについて
「さて」
「開幕戦におけるバルセロナの先発をこれからどうするか」
「下の控え選手達とともに考えてみましょう」
「というお題なわけやな」
「去年のバルサの大きな問題はサイドで走れる選手がいない、中盤を支える選手がいない、両サイドバックの組み立てが下手過ぎるというものだった」
「フレブ、ケイタ、アウベスを取ったのは、それを改善するためやな」
「アビダルを残したのは微妙やけどな」
「彼については開幕戦でパスを出す前のフェイクを色々と試していて、去年より相手と正面を向いて駆け引きをしようという意欲が見られた」
「監督から何か言われたんかね」
「その可能性は高いな」
「それはそれとしてチームを組み立てる際、まず最初にメシの存在を考えざるをえない」
「これまでのところ、右から中央にドリブルで切れ込んでからのプレーが一番良い」
「となると、それを中心にして組み立てざるを得ない」
「使う以上はそうやな」
「ロナウジーニョやリケルメと同じで、中途半端に使うとたちまち穴の方が目立ち始める」
「そうなると彼の裏をカバーする選手が必要になる」
「ロナウジーニョにとってのデコ、モタ、ダービッツといった選手やな」
「それならケイタでよかろうという話になる」
「ついでにセンターバックの右側に、マルティン・カセレスを置く」
「彼はサイドへのカバーが早くて速い」
「こうしておけばサイドの穴を埋めやすい」
「スピードのないシャビ、マルケスを置くよりはるかに安心できる」
「次にアウベスについて考える」
「彼はオーバーラップに置いて、外だけでなく中へ入ることも多い」
「ところがバルサでこれをやると、メシのドリブルコースをふさいでしまう」
「セビージャでは、ナバスとのコンビで中でも外でも上手くいっていた」
「バルサではチームの都合上、中への動きを少なくしメシのフォローに徹した方が良い」
「続いて前線の組み合わせを考える」
「中央のフォワードとしては、メシの動きに合わせてラインの裏に出る選手が望ましい」
「エトーでよろしかろう」
「左の選手は守備において中盤を助けるために上下に大きく動くことができ、サイドで我慢できる選手が望ましい」
「フレブか」
「ここにアンリを使うと持久力に問題が生じる」
「エトーとも重なる気配が強いしな」
「例えばこの試合では、21分45秒からのプレーで右サイドを突破したシャビのセンタリングに対して、エトーとアンリが全く同じスペースに飛び込むシーンがある」
「両方ファーからニアに飛び込んで点で合わせようとした」
「1人が飛び込んで1人がその裏で待つ方が、スペースの使い方としては良い」
「まあそれもあり、左はフレブでよろしかろうと」
「最後にその後ろを考える」
「左のバックとボランチか」
「ディフェンスラインはマルケスとアビダル」
「マルケスは後方からの球出しに必要やし、アビダルは上げずに使うならスペースのある状態での長いパスはいい」
「そしてボランチはトゥレとイニエスタでどうするか」
「どうするかってどうするんや」
「やってみんとわからん」
「トゥレの方がええような気がするけどな」
「イニエスタやと前と同じようにロングボールで競られて、守備が崩れる可能性があるのはあるが捨て難い一面もある」
「やってみないとわからないということか」
「結論はこうなる」
「控えを考えると下の形か」
「メシ、フレブ、アウベス、マルケスは代えが難しい」
「エトーとアンリもどうなんやろな」
「何にしても下の先発では、ここ2シーズンの過ちを繰り返してしまうことは必定なので」
「どうにかする必要がある」
「例えばとにかく守ることを中心に考えれば、下のような配置も可能になる」
「これはこれで上手くいく可能性はある」
「ロナウジーニョがアンリになっただけのような布陣やな」
「おまけにメシも使わない」
「それだけでも議論の的になりかねない」
「かといって彼を中心に組むと怪我が恐い」
「毎年大きな怪我をするでな」
「どうなることやら」
「お楽しみと」
「自分でバルサ問題に対する解答を考えてみるのは、頭の体操としても面白いので」
「ぜひ挑戦していただければと」
「今期の場合、まず前線でアンリとメシを使うか使わないか、使うならどのように動かすか」
「次に、それにどのような中盤を組み合わせるか」
「最後にディフェンスラインの機能をどうするか」
「例えばアウベスをどう動かすか、マルケスを使うならどこで使うか」
「といった道筋で考えるとやりやすいのではないかと」
「しかし、あれやな」
「なんや」
「後ろからじゃなくて、前から考えて行く方がわかりやすいのがバルサらしいな」
「お家柄かね」
「良い選手配置やシステムがあれば、お教えいただきたいというところで」
「また次回」