ルックアップの巧拙
前回までルックアップの改善が必要な例を見た。
ここではルックアップの巧拙について見る。
以下の矢印のついた選手の顔の動きに注目する。
パスが動く間に白い選手は二度前方を見ている。
オレンジの選手は一度前方を見ている。
同じ時間で見る回数が異なる。
以下も上と同じ二人の選手について見る。
パスの間に白い矢印の選手は一度大きく顔を振っている。
これに対しオレンジの選手の顔はほとんど動いていない。
最初に見たものは、ボールが相対的に長い距離を動いていた。
その間に一人はニ度、もう一人は一度顔を上げる。
二番目の例は以下のようであった。
パスの距離が短い。
一人はボール以外の場所を見ており一人は見ていない。
短いものの方が時間が少なく、時間が少ないほどボール以外の場所を見ることは難しい。
時間がある状況でニ度見ている選手は、時間がない状況でも別の場所を見ている。
このニつのプレーにおいて、白い選手のルックアップはオレンジの選手よりも優れているといえる。
僅かな時間であっても可能な限り周囲を確認する。
このことが習慣化している選手はより厳しい状況、他の選手が見ることができない状況でも周囲を把握することができると考えられる。
以下の白い矢印の選手は、これまでに見た同色の矢印の選手と同じである。
接触とその間を抜き出すと以下のようである。
相手選手にボールが接触
接触の間
味方がボールに接触
接触の間
味方がボールに接触
ここで注目すべきは、最初の接触の間である。
矢印の選手のみがボールと違う場所を見ている。
この後、ボールが蹴られるまでの動きは以下のようである。
他の選手も周囲を見ていることがわかる。
以上の流れにおいて周囲を二度、大きく見ている選手はただ一人である。
ニ回のルックアップで左右両側を確認している。
他の選手と比べて、周囲をより完全に把握した上でプレーをすることが可能だと考えられる。
この選手のルックアップの技術は、他の選手と比較して優れていると言える。
以上で見たようにルックアップも技術である以上、巧拙が存在する。
比較して拙い選手は、より巧い選手を目指して技術を改善する必要がある。
次回は改善における難しさを見る。
【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら。