コーナーキックを好きになろう!オープン編 ゾーンの巻
「さて」
「何だ」
「前回、オープンなコーナーキックでは1回で決めるなら前に2人、2回以上で決めるなら前に0人を入れると良いという結論に達した」
「1回で決まり前に2人が入るパターンはこう」
「2回以上で決まり、前に0人が入るパターンはこうやな」
「そこで今回はそれを詳しく見ていこうという話であるな」
「うむ」
「まず1回の場合から始めるとする」
「ええで」
「とりあえずシュートが打たれた場所を眺めるとこうなる」
「なかなか集まりの良い図やな」
「ゴールエリアとペナルティースポットの間。ピッチの縦の中心軸からややファーサイド寄りと、ニアサイド寄りに集中している」
「大まかにゾーンを書くとこんな感じやな」
「そのゾーンは、どうやって決めたんや」
「本当は真面目に計算して求めるといいんだろうけど、余裕で目分量だ」
「目分量か」
「うむ」
「それまた適当やな」
「サッカーは数学ではないから、概略がわかれば十分なんや」
「ほんまかいな」
「ほんまや」
「そうか」
「次にシュートを打つ位置がわかったとしたら、シュートを打つ選手がどこから走って来たのか気になるところやな」
「こうやな」
「横はペナルティースポットとファーポストの間、縦はペナルティースポットとペナルティーエリアの端の間に分布してると思ってええな」
「まあそうかね」
「ついでに言うと、最初位置からシュートを打つまでにどう動いたのかも気になる」
「となるとこれか」
「ファーに逃げたりニアに来たり真っ直ぐ動いたり、顕著な特徴は見られないように見える」
「そうやな」
「これで、シュートを打つ人間に関しては最初の位置、走る軌道、シュートを打つ位置がわかったことになる」
「そうなると次は囮の動きやな」
「シュートを打つ選手の前入る2人の動きやな」
「ごちゃごちゃいうのも面倒だから、結論を急ぐとこうなる」
「それはまた急ぎ過ぎやな」
「これから先ほどと同じようにして、ゾーンを求めると動き出しの位置は次のようになる」
「要するに目分量ということやな」
「結構分布が広い」
「なかなか表現が難しいところやけど、ペナルティースポットから45度に線を引いて、その左右3mに分布していると思えばそう外れへんな」
「ペナルティーエリアの端では大分ずれるけどな」
「それは脳内で補正しせなしゃあないで」
「そして囮が走り込んだ後の最終的な位置はこうなる」
「これは要するに、シュートが打たれた瞬間にいる位置やな」
「ゴールエリアの縁の左角から中央までの線、その前後3mくらいに分布していいて特にニアポストの前あたりに多い」
「以上を総合するとこういうことになる」
「なかなか面白いな」
「まずシュートが打たれるエリアが、実はかなり限定されている点が興味深い」
「コーナーキックがオープンに蹴られる時は、まずこのゾーンに注目やな」
「そして次に誰がそこに走り込むかを考える」
「赤のゾーンにいて一番ヘディングの強い奴が犯人になる確率が高い」
「犯人ってなんや」
「つまり試合観戦中”このコーナー、一発で決まるとしたらあの選手があの辺りで決めるよ”とでも言っておけば、当たった時にヒーローになれるということか」
「ヒーローかね」
「それは色々ともてて人生ハッピーになれそうやな」
「自分もかなり妄想力の強い人やな」
「それにしてもだ」
「何だ」
「赤と緑の重なりが大きいから、ニアに入る選手とシュートに行く選手の見分けは難しそうやな」
「そこが簡単にわからないから、守備は苦労するわけやけどな」
「それはそうやな」
「次にオープンで2回以上のタッチで入り、エリア内で最初にボールを触る選手の前に誰も走り込まなかった場合を考える」
「うむ」
「これは4個しかないので、最初から1つの図にまとめるとこうなる」
「青い丸が最初にボールを触る選手で、赤い丸がシュートを打つ選手のものやな」
「その通り」
「ところでだ」
「何だ」
「データは4つあるはずなのに、シュートを打った印が3つしかないのはどういうことや」
「それは残り1つはオウンゴールだったから外してある」
「そいうことか」
「そうや」
「それにしてもサンプルの少なさは否めないところやな」
「そうではあるが1回で決まるものと重ねてみると意外と良い」
「確かに意外とええな」
「重なっている部分が多いから、同じ配置から両方に変化できそうでええやろ」
「1回で決めるパターンの囮が、2回以上で決める場合には最初にボールに触る選手になることができるわけやな」
「そのあたりを利用して、一番効率的と思われるコーナーキックを設計したいわけではあるが」
「それはまた次回というところで」
「今回はこれにて」
「また来週」