足の甲で上から下に切る、後方回転 まとめ
これは「インステップフェイクから足の甲で上から下に切る」の続きである。
この蹴り方で重要なことは、一般的なインステップとは全く異なるメカニズムで蹴るということである。
「インステップで上から下に蹴る」といった形で表現されることも多いが、蹴り方自体全く異なる別の技術である。
蹴る場所
まず、この蹴り方で使用する足の表面を見る。
足の甲は大まかに親指の足をそらせた時に出る筋を尾根として、その両側の斜面に分けられる。
この蹴り方では、足の中心側にある広い甲の部分を使う。
その中でも、目的により部分を使い分ける。
短い距離でやわらかく蹴りたい時は、親指の付け根の上側オレンジの部分を使う。
長い距離で強く蹴りたい時は、内側楔状骨に近い部分を用いる。
その間であれば中間に近い効果が得られる。
内側楔状骨についてはこちらを参照されたい。
足の位置
インステップが下図のようであるとする。
斜めから踏み込み足の甲で蹴る。
後方回転をかける場合、軸足をより外側に開いて着地する。
これは本質的に重要である。
なぜならこのキックでは軸足側に壁を作り、そこで動きを支える必要があるからである。
上の図は開きを強調してある。実際の角度は各自調整されたい。
蹴り足の足首は自然な範囲で軽く伸ばす。曲げを意識する必要はない。
また蹴る前から強く固定していけない。モーションにスムーズさを欠き正しく蹴ることができなくなる。
柔らかく蹴る時などは、足がボールに押される力を利用して甲に乗せる感覚がある。
蹴り足のインサイドは下方向を向いている。このこともあまり意識する必要はない。
足をボールの下に入れようとすれば自然と下を向く。
またこのキックは、より正面から踏み込んでも蹴ることができる。
踏み込みについてはやりやすい方を選ぶと良い。
ポイント
軸足をやや開くように着地し、軸足側に軽く壁を作るようにして寄りかかり、そこを支えとして蹴り足を振る。
足はやや横からボールの下に向けて軽く斜めに入る。蹴った後の足は地面に沿うように動く。
軸足側がリラックスした状態で安定していれば、蹴り足は自然な形で上手く動くようになる。
体はほぼ立てたまま、左半身が安定していることに注目されたい。
別角度から見ると下のようになる。
*軸足とボールがかなり離れている
軸足側の半身が安定していないとこのキックは絶対にできない。
早く回転し過ぎたり、後ろに反ったり、前に突っ込み過ぎたりすると必ず失敗する。
かといって力を入れて固定してはいけない。
あくまでも、軽くよりかかって安定させる必要がある。
下の選手の場合、体の使い方はやや硬いがメカニズムは同様である。
このキックのモーションは、一般的なインステップとは全く異なる。
文末に一般的なインステップの動きがあるので比較されたい。
練習法
2人で向き合って蹴るのもよいが、それでは軌道を把握しづらい。
このためゴールの間に人を置き、その上を越えて決めるような形が良い。
最も自然に飛ぶ距離から始めるとよい。
もし、きちんとネットが張られたゴールがあるなら、その上部にボールを乗せる練習をするとよい。
実戦で使うボール軌道も、その程度の高さが多いため良い演習になる。
複数人数で自主練をする場合など、ジュース一本でも賭けて競争すればより良い訓練になる。
1人で行う時は少しでも取りに行く手間を省くためバーを狙ってもいいが、その場合、軌道が低くなりがちな点に留意されたい。
ここまでは、足首を自然な範囲で伸ばす蹴り方を見た。
後ろに回転をかけるボールは、足首を曲げても蹴ることができる。
次にこれを見る。
(補足:上の足首を曲げる蹴り方の前に、足首を伸ばす場合の正面からの拡大図を参照されたい)
参考:一般的なインステップ
上半身と下半身が閉じる、体を畳むような動きが見られる。
補足:個人技術 足の甲で上から下に切る、後方回転(トゥンジャイ)
続き:後方回転をかける蹴り方、足首が曲がっている場合
【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら。