2022/12/04 ワールドカップ2022 Round16 プレビュー
日本 対 クロアチア
クロアチア戦プレビュー的な。
チームの軸に据えるのはやはり3センター。
彼らがすべてを司る。
この3人の特徴として、抜群のテクニックと観察眼、インテリジェンスという強みがある一方で、敵陣⇔自陣の行ったり来たりの展開には強度が足りないという弱みが挙げられる。
そもそもクロアチアは、明確な型のようなものにこだわるチームではない。相手の強みと自分たちがやれることを勘案し、どちらかというと臨機応変に対応していく。
できないことはやらないし、できることを地道にコツコツと。
誰が見ても明らかな強さはないが、大崩れしない安定感がある。
ただしどの試合にも共通しているのは、ボール保持を放棄しないということ。これは中盤3センターの特徴を鑑みても、最低限の約束事だと思われる。
相手のミドルブロックに対し、中盤の3枚が上下に動きながらボールを出し入れして、前進を試みる。3人全員が隙あらば前を向けるのは強み。
ただし、中盤3センターへの供給ルートは限定される。特に狙い目は右CBのロヴレン。中央に縦パスを差すことはせず(というか、できず)、隣近所への横パスに終始。
逆に左CBのグヴァルディオルは、20歳の超ハイスペックCB。パス供給も持ち運びも、さらにカバーリングもできる。さすがレッドブル産CB。
そんなCBコンビだから、当然左前進が多くなる。だから、日本としては右誘導にしてロヴレンにボールを持たせたい。
そこにプレスをかけつつ、サポートに降りる中盤をしっかりマンツーで捕まえることができるなら、クロアチアのビルドアップを機能不全に陥らせることは可能だ。
特に、右CB→右SBにボールが繋がったときは、必ずモドリッチがサイドへサポートに行く。日本としては、この動きをさせることはむしろ好都合とも考えられる。
ここで大切なのは、精度の低い長いボールを蹴らせること。
クロアチアの中盤を空洞化させたら、セカンドボールを拾いやすくなる。これぞ日本の強度の高さが活きる展開だ。そこからは速く攻めれば、日本が望み、かつクロアチアが望まない構図が完成する。
日本のプレッシングのかけ方と、それに対するクロアチアの反応は、この試合の見どころになる。