2008/06/16 ユーロ2008 Group League

ポーランド 0-1 クロアチア

監督 レオ・ベーンハッカー
フォーメーション 1-4-2-3-1


「クロアチアは3連勝」

「当然、1位通過」

「この試合ではドイツ戦から9人も入れ替えて勝利した」

「見事であるな」

「先発はこう」

「クロアチアは、はっきりとした1-4-4-2」

「ポーランドは微妙やな」

「システム原理主義を持ち込むと、1-4-2-3-1か1-4-1-4-1かでもめるやろな」

「ゲレイロとムラフスキのポジションが、その間みたいなもんやからな」

「ゲレイロがブコエビッチ、ムラフスキがボクリバチにプレッシャーをかける。押し込まれたらムラフスキがレワンドフスキの横に戻る」

「そんな役割やな」

「ポーランドは結局、グループリーグを突破できなかった」

「良いチームやってんけどな」

最初の試合では、勝ったドイツよりも目を引くチームやったしな」

「グループリーグ3試合で、一つ面白い現象があった」

「なんや」

「ポーランドのディフェンスラインは毎試合組み合わせが変わり、それも全部の試合で先発と最終の組み合わせが違う」

「上が先発で下が最終か」

「そうやな」

「これは珍しいかもわからんな」

「おそらくドイツ戦の前半、オーストリア戦の後半の組み合わせが最も良かったと思うのだが、オーストリア戦でなぜ先発を組み換えたのか、その理由は非常に興味がある」

「オーストリア戦の前半はびっくりするくらい裏を取られてたしな」

「その辺りは監督インタビューで聞いてみたいところやな」

「次にゲレイロのことがある」

「ポーランドに来たブラジル人やな」

「ドイツ戦では途中から出場し、主に右サイドに流れて活躍した」

「それはUEFAページ(※リンク切れ)のデータにも出ている」

gerreiro-1_01.jpg

「この絵は何だ」

「ゲレイロのプレーゾーンを表していて、茶色が濃いほどその場所によくいたことを表している」

「ポーランドは右から左に攻めているのか」

「絵の右上に<POLと書いてあるのが、攻撃方向を示している」

「つまりゲレイロはハーフラインより前、中央より右でプレーしていたということか」

「そうなる」

「この試合で良いプレーを見せたことから、次のオーストリア戦で先発する」

gerreiro-1_03.jpg

「ほぼセンターサークル付近か」

「中央でのプレーが多く、ドイツ戦で見せた右に流れる痕跡はない」

「むしろわずかながら、左に流れた形跡がある」

「そしてクロアチア戦」

gerreiro-1_05.jpg

「センターサークル付近、ハーフラインより前が多いな」

「ここでも右に流れた痕跡はない」

「ないな」

「これはどうだったのかと」

「ゲレイロを使うなら使うで彼の得意なゾーン、つまり右に流して使った方が良かったのではないかということか」

「あのタイプの選手は、特徴を最大限に発揮できる場所で使った方が良い場合が多い」

「ただそうなると右サイドも含めて、チーム全体の動きを代表に入ったばかりの彼に合わせないといけなくなるので、なかなか難しいのではないかね」

「ポーランドのパスポートを取得したのが20日くらい前らしいからな」

「そんな新しい選手のために、全体を組み変えるのはなかなかできんで」

「まあそうやけどな」

「ポーランドの前線で自然にボールをキープできるのはスモラレクとゲレイロやけど、この2人の使い方が今ひとつ定まらなかった感はある」

「この2人を、相手が疲れる後半まで取っておくような手も有効だったかもしれん」

「次のワールドカップに向けての楽しみではあるな」

「一方、クロアチア」

「この日のクロアチアは左サイドから主に攻めた」

「特に中央でボールをキープした後、ラインの裏に出るプラニッチからチャンスを作った」

「フォワード2人にボールが入ると、ほぼ間違いなくキープできたのも大きい」

「その辺はポーランドセンターバックにも問題がある」

「今後のクロアチアは、まず間違いなく下の形がベースになる」

「ドイツ戦やな」

「守備では基本的に相手にプレッシャーをかける」

「下の形やな」

「相手サイドバックがボールを持った時の図であるな」

「一部で3-3と呼ばれるプレッシャーのかけ方で、この形からボールを追い込んでいく」

「もし先制した場合は相手によって下のように引く」

「1-4-4-1-1か」

「この場合、相手は無理に攻めず後ろできちんとつなぎながら崩した方が良い」

「クロアチアが攻める場合、下の形が基本になる」

「一つの特徴としてサイドバックが良く上がる」

「中盤ではモドリッチが大きく動いてパスを引き出し味方に送る」

「相手としてはモドリッチをぜひ止めたい」

「止めるといっても、あれだけ動かれるとなかなかマークしづらい」

「守備だけを考えるなら1-4-4-1-1か1-4-1-4-1で、彼が動いた方のゾーンをどんどん狭くしていくと良い」

「あとは上がってくるサイドの裏をどのように突くか」

「流れて上手いフォワードを動かすか、サイドのスペースに後ろから速い選手を入れるか」

「そういった点が楽しみやな」

「ドイツを倒したクロアチアの今後と、対戦相手の対応が楽しみだというところで」

「また次回」

「ごきげんよう」

スーペル・ロジェール
ポーランド残念でした。相手エリア付近でのプレーに、相手を欺く、逆を取るといった要素が足りず素直すぎたかなという印象です。
その中でゲレイロ(日本ではロジェールで通ってます)が違いを見せてくれてました。
そのレゲイロですが、クロスや中距離のパスの場面で、目の前にDFがいるのにそのDFの足元(足を出せば届くところ)を当たり前のように通しているのが非常に気になりました。
これも相手の軸足を意識したプレーなのでしょうか?
機会があれば個人技コーナーで解説して頂けるとありがたいです。
2008/06/18 13:39 - Rodriguez

Re:スーペル・ロジェール
手元にゲレイロの良い映像がないのですが、
一般的にそのような選手は動き出しとプレーモーションが小さいという特徴があります。
相対した状態から、一歩目が予想しにくく、モーションの起こりが早いと、
ディフェンスの反応時間が短くなり、上記の現象が起こります。
確認のためには、読まれやすいクジヌベクとゲレイロの動きを比較されるとわかりやすいかと思います。
正確な返答ができず申し訳ありません。
2008/06/20 08:20 - studio fullerene C60

【蹴球計画】より ※この内容は蹴球計画のミラーサイトとして作成しています。詳細についてはこちら

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