ライン越えのパス(ヌーノ・ゴメス)
「縦に出た」
「これはどういうメカニズムかといえば、次のようになる」
「まず赤い矢印が見え見えのワンツーのパスコースで、ここにフェイントを入れられるとディフェンスはそちら方向につられる」
「体勢を見ると右方向、黄色い矢印の方向に体重が移動しているのがわかる」
「その逆を取るから白い方向へのパスが通る」
「普通、ディフェンスはここを一番ケアするからまず通らない」
「結局、下のようにペペがラインの後ろに抜け出した」
「これは下のように、二つのパスの見合いを利用したことが鍵になっている」
「ここで一つ面白いことがある」
「なにがや」
「実は敵のフォワードであるニハットも、これと同じ文脈のパスをリーガで見せている」
「ほう」
「以下の流れやな」
「まずピレスが中へドリブルで切れ込む」
「中央上の黄色い選手がニハットやな」
「そこから彼にパスが出る」
「中央へ切れ込んでサイドにパスというのは、ペペの時と同じパターンやな」
「ボールを受けたニハットは追ってくるディフェンスをかわすためマイナスに切り返す」
「最終的に下の状態になる」
「これが問題なわけや」
「そうなんか」
「その一瞬後の状態を、別角度から見ると下のようになる」
「ふむ」
「ここからどのようなパスが出たかというのが問題なわけや」
「正解は」