間を作る、相手に正対しニュートラルな姿勢を取る(アニュコフ)
「下の流れでプレーの間というものに関して、面白い場面があったという話やな」
「サイドから中央に入る選手の拡大写真は、次のようになる」
「問題はここや」
「どこや」
「どういう状態かというと、下のように表される」
「体の正面が相手に向いて、軸がほぼ真っ直ぐな状態やな」
「これは次のプレーで左、つまりゴールライン方向へドリブルをすることもできるし右、つまり中央へパスを出すこともできる」
「要するにどっちかに傾いてないから、どっちにでも行けるということやろ」
「こうなると正面のディフェンダーは一度止まらざるをえないし、周囲をカバーしているディフェンダーも次にどう動くかを注目せざるをえない」
「その一瞬が間なわけか」
「瞬間的な溜めともいえる」
「そこでディフェンスの死角で動いたりして、相手の裏を取るわけやな」
「攻撃側としては、この一瞬の間があると動きを合わせやすい」
「この次の動きが、じゃんけんぽんのぽんになる」
「この場合は中央にパスを出す」
「一瞬ボールを見てしまうディフェンスは、これへの対応が遅れると」
「そういうことになる」
「それにひっかからないと、バレージのような変態的なディフェンスに近づけるわけやな」
「多分な」
「何にしても一番近いディフェンスに正対する、ということがここでも重要なわけやな」
「ドイツワールドカップのまとめでも出てきた通りや」
「最後にちょっと、守備組織の話をしておきたいんやけどな」
「ええで」
「ロシアの中盤というのは1-3の形になっていて、左中央が凹んでいる」
「そうやな」
「そうなると綺麗な4人のラインと比較して、下のパスが通りやすい」
「下の1人を他の3人と同じ高さまで上げれば、そのコースは消すことができるしな」
「ここでサイドから中央に入るパスは、ぜひ止めたい」
「それを入れられると、守備は非常にしんどい」
「そうするとフォワードを使って遮断する、というのが思い浮かぶ」
「まあ、そうなるやろな」
「ここが問題なわけや」
「何がや」
「中盤の構成として一つ通りやすいパスコースが残る、これを意図的に使うことで相手のプレーをある程度操作できるのではないかということや」
「具体的に頼む」
「こうしておけば相手としては右サイドにパスを出しやすいから、そちらにボールが流れる」
「その可能性はあるな」
「ところが相手のサイドを比較して右の選手の方が下手だとしたら、守備側にとって都合のいい状態を作り出すことができる」
「トラップディフェンスの一種か」
「いつか試してみたいとろこではあるな」
「そんなこんなで」
「また次回」
「ご機嫌よう」
付録:ロシアの得点、サイドからのボールを逆サイドに打つ